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インフルエンザに感染し発症した場合、タミフルという薬があるのですが、一方で新型コロナに感染したとしても未だにタミフルのような薬が存在していません。これに関して、東京理科大学はセファランチンとネルフィナビルの併用療法が有効だとする研究結果を発表しました。

この研究で用いられたセファランチンは抗HIV治療薬で、ネルフィナビルは白血球減少症や脱毛症、マムシ咬傷に使用される薬剤だといいます。調べてみるとこの研究は2020年4月の時点で国内の25の研究機関が緊急で共同研究を進めているものとのことです。(参考)

The Dream Team: Drug Duo May Cure COVID-19 - Neuroscience News

記事によると、セファランチンはウイルスがゲートウェイとして使用する細胞膜上のタンパク質に結合するのを防ぐというもので、これによりウイルスの細胞への侵入を阻害しているとのこと。これによりウイルスの感染を抑えることができます。

そしてもう一つ、ネルフィナビルはウイルスが複製に依存しているタンパク質を阻害するというもので、既に感染してしまったウイルスが細胞内で複製されるのを防ぐという効果があるとのこと。

つまり感染と増殖の2つを止めるということになると思うのですが、研究では人の肺から新型コロナウイルスの排出を早めることができたとしており、今回の研究では4.9日早めることができたと説明しています。


新型コロナウイルスに関しては既にワクチンを接種された方や周囲で接種された方も多いと思うのですが、ワクチンは必ずしも感染を防ぐというものではなく、摂取回数、2回目の接種を受ける期間で抗体量の差がある他、個人差などもあります。

何れにしても地球上から新型コロナウイルスが消えるというものではなく、現在のような爆発的な感染は防ぐことは無くても感染者は一定数出ては消えてを繰り返すと考えられます。そのため、新型コロナウイルスに有効な治療薬というのは他の病気と同じ用に必要不可欠であり、今後も世界中で研究が進んでいくものと思われます。