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マニュアルや計画を無視したずさんな工事。そのような工事によりもちろん日本でも現場作業員らの命を失う致命的な事故が発生しています。そして、先日韓国で発生した解体中のビル倒壊事故に関しては撤去計画書を無視した作業が行われていたことが明らかになりました。

韓国KBSによると光州崩壊事故に関して同局は正義党議員室を通じてビルの撤去計画書を単独で入手した内容を報じました。しかし、計画書を確認してみると、解体内容を記した申請書の内容と実際の作業に違いがあったことが明らかになりました。

計画書では、5階建ての建物は屋上から外側の壁、仕切り、柱の順で解体するという方法でした。その後、2階の高さになったところで地上から解体するという方法が示されていました。しかし、光州東区庁の建築課長のコメントとして、今回事故を起こしたビルは全く逆で地上付近から解体を実施したと考えられると報じています。

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こちらは今回事故を起こした同じ業者が行っていた、事故現場から900m離れた別の現場でとられた写真です。事故映像からもわかるように外側の壁が道路側、この写真では奥側に倒れ込むように映し出されています。つまりこの写真と同じような解体を進めていたことはほぼ間違いないと考えられます。


警察も解体計画書を押収しているといい、本格的な捜査で計画書と実際の作業の進行に差があったのかを捜査するとのこと。

今回事故現場で行われていたのは『압쇄 공법』と呼ばれる解体方法で油圧の力で圧縮してコンクリートなどを切断する工法です。つまりカニのようなハサミをつけた重機による解体方法になります。
なぜ今回計画書を無視したような作業が行われたのかは不明なのですが、考えられるのは安価でかつ作業効率を高めるという単純な理由にあったと考えられます。