image_64

日本の研究チームによるとアルコールに対して体が強い人、つまり飲酒量が多い人ほど糖尿病を患うリスクが増大していることがわかったとする研究論文を発表しています。

順天堂大学のプレスリリースによると大学院医学研究科 代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの田村好史 先任准教授ら研究グループの成果として、飲酒量が多くなることで肝臓のインスリンの効きが悪くなり、空腹時血糖値が高くなる可能性を世界で初めて明らかにしたと発表しています。(空腹時血糖値とは何も食べていない、食後数時間後、次のご飯の前の血糖値のこと)

アルコールに強い人が糖尿病になりやすいメカニズムを明らかに |順天堂

研究チームによると、東アジア人ではアルコールへの耐性(強さ)を規定するという『遺伝子多型』がアルコールに強い遺伝子型であると糖尿病になりやすいことが近年明らかになっているとのこと。

今回の研究では成人正常体重100人の男性被験者を集め、アルコールに強い遺伝子型(ハイリスクグループ)と、アルコールに弱い遺伝子型(ローリスクグループ)に分けインスリン感受性や代謝に関係するパラメーターを比較しました。

image

結果はこのとおりで、アルコールに強い遺伝子型の人はアルコール摂取量も多く、空腹時血糖値も高めで一方で肝臓のインスリン感受性が低いという結果がでました。
インスリン感受性が低くなるとどうなるかというと、例えばすい臓が正常にインスリンを分泌していても血糖値が下がりにくく、高血糖が続くことで合併症として失明や足の切断を招く糖尿病を患うリスクが増すということになります。


もちろん、酒を飲むついでに何かを食べたりことになるのですが、これを行うことで血糖値が更にプラスして増加するということになります。そしてインスリン感受性が低く体に取り込まれるグルコースが減ることで血糖値が上昇し、さらに糖尿病を患うリスクも急上昇するということになります。
したがって「アルコールを飲む人ほど(アルコールに強い人ほど)太りやすい」という俗に言われることはそれほど間違っていないということもわかります。

研究チームは「1週間の禁酒が肝インスリン感受性を改善し、空腹時血糖値の低下をもたらす」という趣旨の報告しており、アルコールを多く飲む人飲まない人も、まずは飲まない週、飲む週を作ることが重要であると考えられます。

いずれにしても酒を飲むにしてもほどほどに自分で管理できない止められないほど飲んでしまうという場合は医師の診察を受けることをおすすめします。