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先日、北朝鮮勢力と考えられるハッカーグループが韓国原子力研究院に対してハッキングを行ったと報じられていたものの、これとは別件で韓国の造船ビッグスリーとなる大宇造船海洋も過去にハッキングを受けて原子力潜水艦関連資料が盗まれた可能性があると報じられています。

韓国メディア中央日報によると、北朝鮮と推定される勢力が2020から2021年上半期まで、韓国海軍の各種艦艇及び潜水艦を設計・建造する造船大手『大宇造船海洋』をハッキングし、いくつかの資料が流出したと政府筋が20日明らかにしました。流出した可能性がある資料の中には韓国国産の原子力推進潜水艦研究内容も含まれていたとされています。

[단독]北추정, 대우조선해양 해킹…핵잠수함 자료도 포함 - 중앙일보

政府内外では、この事案については最近発生した北朝鮮軍の偵察総局傘下のハッカー組織が韓国原子力研究院のハッキング事件と関連があると主張されています。事態が発覚したことを受けて、20日、消息筋によれば防衛事業庁および国防技術保護庁は長期間かつ持続的なハッキング試みを確認したとしており専門業者側と共にセキュリティー措置に出たとのこと。

ある消息筋によると「該当資料中で海軍と大宇造船海洋がかなり以前から検討してきた原子力推進潜水艦の概念研究内容も含まれている」として「北朝鮮ハッカー組織の仕業で推定している」と伝えています。 ただし「一部資料は流出したものの、原子力推進潜水艦研究内容が実際流出したのかは確認できなかった」と説明していいます。

記事によると、大宇造船海洋が北朝鮮の標的にされたのは今回が初めてではなく、過去2016年4月には4万件の内部資料が大量にハッキングされる事件が発生。当時の軍当局は、流出した資料の中で1〜3級軍事機密万60件であり、この中にはイージス艦と潜水艦の設計図と戦闘システムなどが含まれていたと国会に報告しています。

『親北政権』ノ・ムヒョン政権が計画していた謎の原潜導入計画

そもそもなぜ韓国が原子力推進潜水艦導入を計画しているのか。記事によるとこれ自体はノ・ムヒョン政府時代に秘密裏に推進し失敗に終わった事業だと説明されています。 当時政府はノ・ムヒョン前大統領の計画承認日付印である2003年6月2日を意味する『362事業』という名称まで付けていたとのこと。  

ノ・ムヒョン大統領の側近だった現在のムン・ジェイン大統領は前回の大統領選の候補時期「私たちも原子力推進潜水艦が必要な時代になった」として、「当選すればアメリカと原子力協定改正を議論する」と公言していました。しかし、アメリカ側が核燃料導入反対の立場は明白でこれを解かなければ今回の政権内本格的な潜水艦開発は難しいと記載されています。

また消息筋は「ノ・ムヒョン政府が原子力推進潜水艦開発を放棄した決定的な背景は、2004年に国際原子力機関(IAEA)の原子力研究員秘密査察に関連がある」と説明しています。
「当時、韓国の原子力研究院がウラン濃縮の秘密実験をした事実が明らかになり、この時に核兵器開発疑惑などに飛び火することを懸念した政府が原子力推進潜水艦事業も諦めた」と話しているとのこと。合わせて「新型潜水艦の開発を企む北朝鮮が、原子力推進潜水艦に必要な小型原子炉技術などを取得しようと原子力研究者をハッキングしたことがあった」と指摘しています。

ちなみに、ノ・ムヒョン大統領およびムン・ジェイン大統領はいずれも親北派にも関わらずなぜ原子力潜水艦を保有しようとしているのかは説明はされていません。