天安門広場

海外メディアによると、中国の国家安全部といういわゆる情報機関のナンバー2とされる人物が今年初旬にアメリカに亡命したのではないかという噂が大手メディアで伝えられています。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストや英紙デイリー・テレグラフが一斉に報じた内容として、中国の情報機関ナンバー2とされる中国国家安全部所属の董経緯という人物が娘と共に今年2月にアメリカに亡命したのではないかと噂話を取り上げています。

英 일간지 “中 국가안전부 2인자 美 망명 의혹” - 조선비즈

問題はこの話がいったいどこからでたのかという点ですが、情報源は2021年6月16日にアメリカで活動する反中人権運動家の『韓連潮』氏が投稿したツイートだといいます。それには中国国家安全部の董経緯副部長の写真と彼が武漢ウイルス研究所の物証を持って、娘と共に米国に亡命したという内容が記載されていました。

またツイートによると「彼(亡命したとされる董経緯氏)が(新型コロナウイルスに関する)武漢ウイルス研究所の確実な証拠を持っており、バイデン政府の見方が変わった」とし「アラスカ会談(3月19日、米中によるアラスカ州で開かれた2日間の高官協議)で論争の焦点は、董経緯氏の送還要求でありこれは(国務長官)ブリンケン氏によって拒絶された」と記載していたとのこと。

▼米中双方が語気を強めたアラスカ会談


3月19日のアラスカ会談は記憶されてる方も多いと思うのですが、中国側が長時間にわたり反論を続けるという『友好的な会談』とは言えない異常となものになっていました。


ただ、疑問なのは反中人権運動家の韓氏がツイートしたこの情報がいったいどこから来たものなのかです。もちろん言えるようなことではなく記載もないため信頼性についてはかなり怪しいものになっています。

そしてこのツイートに対して関して異例な速度で反応したのは中国です。
ツイートから2日後となる18日午後、中国の中央政法委員会はSNSで「董氏がスパイ摘発懇談会を招集した」というわざわざ個人名を出しその活動内容を伝える形で亡命説を否定。他にも中国中央テレビなど国営メディアもこのニュースを伝えるなど明らかに西側メディアを意識する形で亡命説を否定したとのこと。
しかし、その国営メディアが報じたものには肝心の董氏の映像などは一切なく逆に疑いをもたせるものになっています。