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人類の数を遥かに超える数百から数千億羽以上いるとされる鳥類。しかし、この鳥類が人工物にぶつかり命を落とすということはよくあることが知られています。これに関して韓国では透明のガラス状の防音壁に対して無数のシールを付け衝突する鳥を減らす取り組みが行われています。

韓国メディア『ハンギョレ』によると、今月12日、ソウルの南部に位置するヨンイン市では炎天下の中、小学校前に設けられている防音用のガラスで作られた防音壁に対して市民ら30人が小さいステッカーを貼る作業を行いました。

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日本ではこの手の防音壁は無いと思われるのですが、今回作業が行われた学校では全長80mに渡り運動場に設けられているもので、学校以外でもこのような防音壁が設けられることがあるそうです。記事によると、今回作業を行った緑色連合によると「全国でガラスにぶつかって死ぬ野鳥が毎日2万羽に達します」といい、非常に問題視していたとのこと。

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張られたステッカーは横10cm、縦5cm間隔でつけるもので、最初に綺麗にガラスの汚れをとってから貼り付けるといいます。この日は2時間の作業で150枚のガラスに全てステッカーをつけることができたといい、過去の調査ではステッカーを付けることでガラスにぶつかる鳥が1/10まで減少したとのこと。


▼2019年から既に始まっている


韓国の環境省によると過去に建物の窓など人工物にぶつかり死ぬ鳥は765万羽、この手の透明な防音壁などにぶつかって死ぬ鳥は23万羽と過去に発表しているとのこと。

団体によると、アパートや自然緑地の間に建てられた防音壁は、餌を求める鳥にとっては『墓』になることが多くあるといい「今日は防音壁の周りだけでシジュウカラ、コゲラなど4匹の死体が見つかりました。今の季節は親鳥が死ぬと子も生存することができないため生態系に及ぼす被害はこれ以上です」と話しています。

また、このようにステッカーを貼り付けることは重要だとしているものの、そもそも鳥が衝突しないよう根本的な解決方法が必要だとしており、同様の防音壁であれば格子状のグリッドを最初から付けるよう義務化することが求められています。