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生活習慣病の一つ糖尿病。これは2型糖尿病と呼ばれるもので一度患った場合、二度と完治することはないとされています。一方で、研究者は肝臓の動きが2型糖尿病に関連していることは分かっていたもののその原因について、ある神経伝達物質が原因であることを突き止めたと発表しています。

この研究を行ったアリゾナ大学のベンジャミン・レンキスト氏ら研究チームです。糖尿病といえば肥満です。しかし、この肥満が2型糖尿病の原因であることが知られているものの、長い間、特に肝臓の脂肪量が肥満とともに増加することが分かっていたものの、その肝臓の脂肪量と糖尿病の関係性については原因が何十年も分かっていなかったといいます。

New clues point to the liver playing a causal role in type 2 diabetes

レンキスト氏ら研究チームは中枢神経系神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸およびGABAという物質に原因があるのではないかと予想しました。このGABAが大量に産生されることで神経活動を低下させ、このメカニズムを通じて研究者たちは肝臓が血糖値に影響を与えるはずだと仮定しました。

専門内容が多いので表現には誤りがある可能性があるのですが、「肝臓でGABAを生産されると肝臓から脳に伸びる神経の活動が低下します。つまり脂肪肝がGABAを生成することにより、脳への活動を低下させます。これが中枢神経系によってグルコース恒常性に影響を与える発信信号を変化させる」というものです。


そこで肝臓から生産される過剰なGABAと呼ばれる酵素の生産を動物モデルでブロックしたところ、数日以内にインスリン感受性を回復したと主張しています。つまり、ただしくインスリンが分泌されるなどして薬などに頼らず血糖値が改善できたということになります。また「GABA-トランスアミナーゼの長期阻害は、食物摂取量の減少と体重減少をもたらしました」とも説明しています。

また人間を用いた研究ではインスリン抵抗性とGABA産生に関与することが知られている肝臓における遺伝子発現の増加との間に関連性が検出されているとのこと。

過剰なGABAを阻害する薬については既に存在しており、例えば抗けいれん薬として設計されているものがあり、承認されたGABAトランスアミナーゼ阻害剤の1つが肥満の患者のインスリン感受性を改善できるかどうかを調査する臨床試験が現在進行中としています。

いずれにしても糖尿病にならないよう生活習慣、特に食習慣を変える必要はあるのですが、この治療方法が確立できれば、糖尿病からくる失明などの合併症を抑えることが期待でき有効な薬の一つになると考えられます。
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