F-3 第6世代

2030年代ごろに配備を目指す、日本の次期主力戦闘機F-3に関して、機体の性能に直結するエンジンの開発について、イギリスの航空エンジン大手となるロールス・ロイスと部分的な共同開発を行うと国内メディアが報じています。

航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発について、政府はエンジン部分を英国と共同開発する 方向で最終調整に入った。日本は重工大手のIHI、英国は航空機エンジン製造大手のロールスロイスの参加を 見込む。費用削減だけでなく、将来の輸出も視野に入れており、防衛協力を進める狙いもある。

朝日新聞
現在世界、特に欧州ではF-22やF-35といった第5世代戦闘機ではなく、その先となる第6世代戦闘機の開発がすでに始まっています。欧州ではイギリスを中心とした『テンペスト』、そしてフランスを中心とした『Future Combat Air System(FCAS)』です。

そのテンペストの中核の一つとなるエンジン開発を行っているのはロールス・ロイスです。ロールス・ロイスといえば日本では高級車というイメージしかないのですが、旅客機をはじめとしたジェットエンジンも手掛ける企業です。

現在F-3に搭載するといわているエンジンの開発は日本でも続けられており、それは『XF9-1』というものです。



FX9-1_4

FX9-1_5

記事によると『防衛省の担当者が訪英し、エンジン部分を含めた協力について英側と協議。両国で最終調整を行っている』と記載されており、決定はされていないものの既に水面下ではイギリス側と協力に向けた動きはあることは間違いなさそうです。



一方で、そのテンペストに搭載されるロールス・ロイス製エンジンはこれまでの物とは一線を画するするような極めて強力な発電能力があるともされています。過去にロールス・ロイスは「世界初の電気技術を開発している」などと発表しています。

具体的にどの程度すごいものなのかは不明なのですが、ロールス・ロイスのチーフエンジニアであるConradBanks氏は「既存の航空機エンジンは、発電機を駆動するエンジンの下のギアボックスを介して電力を生成します。可動部品と複雑さを追加することに加えて、ギアボックスと発電機のためにエンジンの外側に必要なスペースは機体を大きくします。これはステルスプラットフォームでは望ましくありません」と話し、従来よりもコンパクトかつ強力な発電技術を搭載するようなことを口にしています。

ただ、報じらているような、なぜエンジン部分だけ協力するのかという点が不明であり、エンジンをまるごとロールス・ロイス製とするのか、現在開発中のエンジンにテンペスト向けに開発された発電機を乗っけるのかもよく分かっていません。

日本側としては重要な技術であるエンジンは「国産としたい」という内容を目にした記憶があるのですが、エンジンそのものを捨てるようなことはまず無いと考えられます。いずれにしてもエンジンを皮切りにテンペストと共通化できるものが増えると、機体スペックでは計り知れない、例えば欧州側と軍事分野での協力や政治的な面でも有利になる部分が増えてくる可能もあります。