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梅雨明けとともにやってくるの夏。ここ最近、殺人レベルの猛暑が伝えられる年も多くなっている印象があるのですが、この猛暑に関して、なんと日本から遠く離れたアフリカで雨が多く降ると日本では巡り巡って猛暑になることが分かったと報じられています。

三重大学生物資源学研究科の立花義裕らの研究グループは、過去39年間にわたる観測値の分析と数値シミュレーションにより、アフリカのサヘル地域で雨雲が大きく発達すると、日本上空の高気圧の引き金となり、結果的に日本の猛暑の一因となっていることを発見しました。

三重大学
アフリカのサヘル地域とはそもそもどこなのか、これはGoogle Mapsなどを見るとアフリカのちょうど砂漠が広がっている大陸を貫く形で広がる中央付近のエリアです。

▼サヘル地域(橙色)
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このよう、雨が全く振らないような宇宙から見ても砂漠が広がっているような地域になります。

この地域に関して、三重大学生物資源学研究科による過去39年間にわたる観測値によるシミュレーション結果として、アフリカのサヘル地域で雨雲が大きく発達すると、日本上空の高気圧の引き金となり、結果的に日本の猛暑の一因となっていることを発見したとのこと。

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こちらが図解です。このようにサヘル地域で雨雲が発達するとその北部、地中海に面する高気圧が刺激され勢力が増し、北極圏を流れる偏西風が蛇行し丁度いい位置にある日本付近までその影響が続き、結果的に日本付近の高気圧が刺激され高温になるというものです。

このような気象に関しては南アメリカ太平洋沖の海水温の変化で暖冬になったり寒くなるというラニーニャ現象などちう言葉は耳にするのですが、サヘル地域の気象で日本の気象が左右されるというのはこれまで知られていなかったものだと考えられます。

研究チームによるとこの研究は、今後、日本やアジアの異常気象のさらなる解明と予測において新たな鍵となるとともに、地球温暖化の研究や防災などにも役立つことが期待できるとしており、近年、サヘル地域の雨量は増加が続いていることから、日本における猛暑が頻発する可能性があるとも指摘しています。