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2021年7月静岡県熱海市で発生した大規模な土砂崩れ事故に関して、国土地理院の航空写真データから、土砂崩れの原因を作ったとされている盛土は今から8~9年以上前には既に作られていたことが明らかになりました。

先日発生した熱海市の大雨による土砂崩れ事故に関して、とても気になるのはあの意味不明な盛土がいったいどのような理由でいつ作られたのかです。これに関して国土地理院の航空写真からいったいいつ頃作られたのか見ていこうと思います。



こちらが2021年に撮影された土砂崩れの発生源とされる盛土付近です。その側面には近い位置にメガソーラーと盛土が作られる前に既に山を切り開き開発された宅地が広がっています。

では過去の写真から盛土を見ていこうと思います。
2012.12.11(平24)
こちらは2012年12月11日に撮影された盛土の写真です。既に作られている事がわかります。工事車両もみられず盛土は既に完成してるものと考えられます。当然メガソーラーは存在していないことを考えると「メガソーラー建設が目的でこの盛土を作った」という一部の主張の信憑性は低いと考えられます。国土地理院の写真はこちらから

2005.11.08(平17)
さらに時代を遡って2005年11月8日です。盛土はなく、盛土に続く道も未完成で周辺の開発も進んでいないことがわかります。2012~05年の間の航空写真はありません。この写真と2012年の写真を比較すると、盛土が行われた部分は小川があるような谷間だったのではないかと考えられます。
あくまで素人の予想としては、その川もしくは谷間を土で埋めたて(盛土)、ダムのような形にした可能性も考えられます。
国土地理院の写真はこちらから

1994-11-9
参考として1994年11月9日の写真です。開発は下の集落で止まっていることがわかります。その後、更に山の上にまで開発(宅地)が進んだ結果、今回の土砂崩れ事故が発生する起点ができてしまったということになります。
国土地理院の写真はこちらから

このように時代の流れともに山を切り崩し、住宅など作るために開発が進んでいった地域であることがわかります。

なぜ盛土が作られたのか

不思議なのは何もないところに不自然に盛土が作られたという点です。先程も紹介したようにツイッターや5ちゃんねるでは「とある企業(外国企業?)がメガソーラーを建設するにあたって、ここに盛土が作られた」などという主張がでているものの明確な証拠はなく、このネタを元に企業や個人を特定・名指し批判するのは逆に訴えられる可能性があります。
また、宅地で埋めたという話もでているのですが、あまりに面積が小さく谷間を埋めた危険な地形・地質であるため、そもそも法律に抵触するものと考えられます。

読売新聞によると
県と熱海市によると、この付近の開発については07年、神奈川県内の企業が(静岡県の)県土採取等規制条例に基づき、市に工事を届け出た。11年頃に完了報告があり、今回、この工事による盛り土が崩れた可能性があるという。

土石流の起点付近、開発行為の盛り土ほとんど崩落か「被害を甚大化させたと推定」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン
としています。写真でもわかるにように2012年には既に盛土があることからもこの内容とは一致するところがあります。

また県土採取等規制条例とは静岡県のホームページによると
目的(条例第1条)、土の採取等について必要な規制を行うことにより、土の採取等に伴う土砂の崩壊、流出等による災害を防止するとともに、土の採取等の跡地の緑化等の整備を図り、もって県民の生命、身体及び財産の安全の保持と環境の保全に資することを目的としています。
としており、

条例が適用される行為(条例第2条)
条例が適用される行為は「土の採取等」となります。

「土の採取等」とは、次に掲げる行為をいいます。

(1)切土、床堀その他の土地の掘さくをする行為

(2)埋土又は盛土をする行為

土を採取し他へ搬出する場合のほか土地の形状を変更する行為をすべて含みます。

としています。これが一体何を意味するのか土木の知識は無いため詳しくはわからないものの、いずれにしても盛土自体は静岡県(熱海市)側が許可した上で行ったものと考えられます。今回の出来事は盛土を設けたということが直接的な原因である可能性が極めて高く、大雨による災害(天災)というよりも、人災という見方が妥当と思われます。

国土地理院の航空写真は古いものでは戦前のものを見ることができます。もしあなたが住宅を新たに建てたり、将来新しい地域に住む際はまずは古い写真を見てそこにいったい何があったのか、本当に安心して暮らすことができるのかを自分自身で判断することが重要になります。

国土地理院 地図検索表示画面(左のメニューから『分類』を航空写真にするとよい)
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