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事実上無限にエネルギーを生産しつずけることができる宇宙太陽光発電。しかし、地球上からの機材のうちあげ費用とその発電量を見た場合、費用対効果つまりコストパフォマンスが悪いという側面があります。しかし中国では超大型ロケット長征9を用いて、2030年頃にもメガワットレベルの発電所を設置する計画があるそうです。(画像は参考資料)

中国による宇宙太陽光発電については数年前から何度か報じらていたことがあるのですが、今回はその宇宙太陽光発電を打ち上げるロケットや全体の計画についてです。もちろんこれが実現できるのか、中国が今後行う月面開発と並行してこれを行うのかなどは全く不明です。

China’s super heavy rocket to construct space-based solar power station - SpaceNews

その上で、SpaceNEWSによると中国の主力ロケットである『長征ロケットシリーズ』のチーフデザイナーである竜楽豪氏が香港で行ったプレゼンテーションとして、「地球静止軌道(通信衛星等が投入されている高度35,700km)に宇宙太陽光発電システムを建設するため、次世代の長征ロケットが必要になる」と述べたとしています。
記事によると竜楽豪氏の話しとして、宇宙太陽光発電は来年2022年にも小規模発電がテストされ2030年にはメガワット級、2050年にギガワット級の商用レベルにしたいというものです。

▼宇宙太陽光発電のイメージ。発電した電力はマイクロ波に変換して地上で受信、再変換するというもの
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これが中国政府がどの程度絡んでいるのかは一切不明なのですが、問題はメガワット、ギガワット級のソーラーパネルを地球からどのように打ち上げるのかです。

▼長征9ロケットのデザイン変更。これまでは左の一般的な本体と補助ロケット構成だったものの2021年版(右側)では本体メインロケットのみで、複数のエンジンをクラスター化するというSpaceXと似た構成になっています。
長征9

竜楽豪氏が語っている長征9ロケットについては現在開発中としており、重量は約878トン、全長は約57メートルです。スペックとしては高度約2,000kmの地球低軌道に140~150トン、月遷移軌道(TLI)に投入する場合には50~53トンです。ロケットの規模としては大規模なものになるのですが、アメリカのSpaceXのスターシップと比べると性能面では劣るのではないかと考えられます。

そんな長征9ロケットで2050年のギガワットレベルの宇宙太陽光発電を静止軌道に建設するには実に100回以上の打ち上げを行い1万トンの施設を建設する必要があるとのことです。

どの程度本気でこれを行おうとしているのかは不明です。2020年代時点で30年先の話をするという、これまでの宇宙計画からも明らかに無理がある計画を練っているものであり、実現はかなり厳しいと考えられます。
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