ZTF J1901 + 1458

潮の満ち引きや夜の淡い光など地球上の生物に多大な影響を与えている月。地球に比べ圧倒的に小さい天体ですが、実は宇宙には月程度の大きさしかないにも関わらず太陽質量の1.3倍もあるという桁違いに重い天体『ZTF J1901 + 1458』があるのはご存知じでしょうか。

私達の身の回りにある『重さ』は同じ体積でも水が入って入れば重い、金属はさらに重い、木は軽いというイメージがありますが、それは宇宙でも地球を引き合いに小さければ軽い、大きければ重いという印象があります。
しかし、それはあくまで印象に過ぎず小さくても質量が桁違いに大きいという天体が実際に存在しています。

そんな目に見える天体のなかで異常なサイズと質量になっているのは白色矮星です。白色矮星とは文字通り人間の見た目では白っぽく観測できる天体で元は太陽のような恒星です。
恒星は特に巨大な天体(太陽の数十倍の質量)であればその晩年、超新星爆発を起こし一つはブラックホールに、質量が軽ければ中性子星(パルサー、マグネター)に生まれ変わります。しかし、このような超新星爆発を起こすような恒星はレアで97%が最終的に静かに白色矮星に生まれ変わります。

ではなぜ、白色矮星は極めて質量が大きいのか。太陽のような恒星は晩年、核融合により外側に出ようとする力と天体の物質で抑え込もうという力の均衡がおかしくなり外側に出ようとする力が勝るようになります。

▼飛び散った物質と惑星状星雲(中央には白色矮星が残る)
環状星雲

その結果、天体の見た目が巨大になったりガスが周囲に撒き散らされるという現象が観測されます(太陽より3倍程度重い天体では星雲として観測できる)。一方で天体内部では更に圧縮が進み重いコアが形成されます。そして核融合の終わり重いコアだけが残った天体が白色矮星です。(上の画像)


▼ZTF J1901 + 1458の想像図
ZTF J1901 + 1458_1

前置きが長くなりましたが、一般的に白色矮星は地球ほどの大きさになるのですが、質量は太陽とほぼ同じです。しかし今回カリフォルニア工科大学が発見した白色矮星『ZTF J1901 + 1458』は地球よりも遥かに小さく、わずか付き程度の質量しかありませんでした。それは見出しでも紹介したようにわずか月程度の大きさで、質量は太陽の1.35倍というものでした。
そしてこの白色矮星は太陽の実に10億倍という桁違いな磁場を帯びているとのことです。



実はこのように小さく太陽質量を超える天体というのが存在します。それはさきほども紹介した中性子星です。これは超新星爆発が必要とされているのですが、カリフォルニア工科大学の研究者によると、この天体が将来的に更に崩壊が進むことで中性子星に生まれ変わる可能性があると主張しています。

この天体がどのようにして生まれたのか。同大学によると強い磁場と自転速度などから過去に白色矮星のペア、つまりもともと連星だった恒星が互いに白色矮星になり、それが衝突して1つの天体になったのではないかと予想しています。
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