image_184

アメリカを中心に人工衛星を用いたインターネット通信、スターリンクが既に始まっているのですが人工衛星を用いたネット接続というサービス自体は新しいものではありません。そんな中、ソフトバンクは2022年中に月500円以下の超低料金でどこでもインターネットに繋がる衛星通信サービスを始めると報じられています。ただし、回線速度はアナログ電話回線以下です。

ソフトバンクは、2022年中に開始予定の衛星通信を使ったIoT(Internet of Things)向け通信サービスを、月500円以下で提供する計画であることがわかった。現在の衛星通信サービスは月5000〜数万円の通信料がかかることが多く、他社の10分の1という価格破壊になる。地上の基地局経由の通信では圏外になることが多い海上船舶の位置把握や、山林の建機の稼働状況などでの利用を想定する。ソフトバンクは衛星通信サービスを海外展開する計画で、海外ビジネスを拡大する起爆剤にする考えだ。

日経クロステック
身の回りのありとあらゆる製品がインターネットに接続するという時代に入りつつある現代。例えばスマホ、インターネットに接続できなければカメラやGPS機能など極めて限られた機能しか使うことができません。つまり情報も得られない発信もできないという使えない端末にまで成り下がるということになります。

当然、インターネットはどこでも接続できるものではなく、山奥では極端に電波の入りが悪くなります。そこでソフトバンクは衛星を使うことでインターネット接続できるサービスを来年中に行うとしています。
これは外国の通信衛星を借りるもので、なんと月額500円しかし、1回線当り(1契約分)あたりの通信速度は20kビット/秒となります。最近の若い人たちからすると「なんか速そうじゃん」と思ってしまいそうですがそうではありません。言い換えれば20kbpsです。

低価格simの多くは1Mbpsに速度制限がされるのですが、置き換える1Mbpsは約1,000kbpsです。つまりその1/500しか速度はでません。ツイッターなど閲覧できる回線速度ではありません。




もちろんこのサービスは個人というよりも業者向けです。記事に記載されているように『圏外になることが多い海上船舶の位置把握や、山林の建機の稼働状況などでの利用を想定する』としており、そのような現在提供されていない環境でインターネット接続を広めるというものです。

インターネット黎明期のアナログ回線(56kbs)以下の20kbpsで何ができるのかは記載されているように非常に単純なコードを送ったり、搭載された機器からの数値をリアルタイムで送信するなどに使われる可能性があります。例えば現在であれば水位や風速、気温を記録し調査員が収集して回るのではなくリアルタイムで外部に送信するというものです。

特に工事などその地点の環境を知るというのは新しい事業を始める際に有力情報になるため、そのデータを提供するような会社にはとっては必要に有用なものになると考えられます。

ちなみにこのサービスは地球静止軌道上の通信衛星から経由するため応答速度(Ping値)は予想では500以上になると考えられます。また通信衛星と接続するためには機器が別途必要でありソフトバンクによると端末1つあたり3万円程度としています。