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日本ではれば基本的にどこに住んでいても水、特に水道水を飲むことはできますが、外国ではそうではありません。そこで井戸などを掘るなどして水を得る必要があるのですが、スイスの大学は電源を必要とせず空気から水を取り出す装置を開発しました。

この装置を開発したのはスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)です。大気中から水を取り出すという方法については始めてではないのですが、その量や電源が必要などの理由で限定的にしか使用されていません。

A New Condenser Can Harvest Drinking Water from the Air 24/7

特に、電源の確保自体が難しいアフリカなどの地域ではソーラーパネルを購入やメンテナンスの必要から現実的なものではありません。そこで開発されたのは結露を利用して大気中の水分を直接集めるという装置です。

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構造については円錐形の放射シールドとその中心部にガラス板をという構造になっており結露はこのガラス板に生じます。太陽光は放射シールドに当たるもののガラス板には当たらない構造になっており、ガラス板が自身の熱を赤外線波長で外側に放射するという方法を用いることで、周囲の温度よりも15度ほど低い温度を維持します。
これにより結露が生じてガラス板の下側に水滴があつまるという構造です。


問題はどれだけ水を集めることができるのかです。記事によると、ガラス1平方メートル、つまり縦横1mサイズのガラス板構造で1日あたり1.3リットルの水を作れるとしています。

記事によるとこのガラス板には特殊なコーティングがされているものの製造自体は安価でできるとしており、全体のユニット自体もそれほど高価にはならないという印象を受けます。ただ、水の生産量が1立方メートルあたり1.3リットルというのはどう判断すればいいのか。

井戸水などは海外では汚染されている場合があると考えると安全な水をパッシブ装置で集めることができるという点では良いのではないかと考えられます。