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高さ百メートルに達するビル群が乱立する大都市。そこで気になるのは「そういえば地面って大丈夫なの?」という疑問です。これに関して米国地質調査所に関連する機関が論文で、私達の懸念どおり開発による重さで地面が沈んでいるとする結果を発表しました

米国地質調査所(USGS)機関の地球物理学者であるTom Parsons氏は、サンフランシスコなどの大都市がその歴史の中で最大80ミリメートルほど沈んだ可能性があることを発見したと発表しました。

Cities Are So Heavy That They’re Sinking Into the Earth

今回の研究はあくまでビルなどの質量からどの程度地質に影響を与え沈んだか計算したものであって、そこに暮らす人や車などは一切計算には入っていないとしています。つまり重量は更に重く沈み具合も多い可能性がるということです。

人間が暮らす都市部に共通しているのは川、そして海に近いことです。日本も東京や大阪、名古屋などはその一部が海に接しています。つまり比較的標高自体が低いということになるのですが、研究では「海面上昇によるリスクの増大と同時に、都市自体が海に向かって沈んでいる」と表現されています。

では具体的にどのくらいの質量が地盤にかかっているのか。今回の研究ではサンフランシスコの都市の重量は1.6兆キログラムに達すると計算されており、この質量は地球の最も外側の岩の殻(地殻)を押し曲げるには曲げるのに十分な質量があるとしています。
この巨大な質量は地球の地殻の構造応力によって作成された岩の大きな塊となる断層ブロックのレベルをさえも変えることも考えられるとしています。

都市部に住んでいると当然ビルなどの質量により地盤沈下していると感じる人は皆無だと思います。ただ、人工的に埋め立てた土地が地盤沈下するとの同じように質量で沈むというのはよくわかる現象です。

この沈下がどの程度影響があるものか。もちろんその都市がどのような岩盤の上に立っているのかも重要であり、この研究ではあくまで海面上昇による浸水のリスクを悪化させている可能性があるという指摘がされています。