ISS_1

先日、1990年代に製造したロシアの新しいモジュールをドッキングしたところ、勝手に姿勢制御用のエンジンが噴射しはじめるというトラブルがあった件について、これまで国際宇宙ステーションは40度ほど傾いたとしていたのですが、実際は540度、つまり一回転以上するという前代未聞のオリンピック競技レベル並の回転が発生していたことが明らかになりました。

2021年7月29日、ロシアが1995年つまりWindows95が販売されていたような時代に製造された26年前のモジュールを打ち上げ国際宇宙ステーションにドッキングしたところ、ドッキング後約3時間後に突然スラスターと呼ばれる姿勢制御用用のエンジンの燃焼を開始するという事故が発生しました。

結果国際宇宙ステーションの全体がスピンし始め適正角度よりも45度ほど傾いたと一報が出たものの、実際はさらにひどく540度も回転していたことが明らかになりました。

Space station situation with Russian module misfire more serious than stated: report | Space

海外の宇宙関係ニュースサイトによると、ニューヨーク・タイムズが報じた内容として、NASA(ヒューストン)でミッションコントロールを率いるNASAのフライトディレクターであるゼブロン・スコヴィル氏は国際宇宙ステーションが45度よりもはるかにひどく傾いたと説明していると記載。

ナウカ(今回接続したロシアが打ち上げたモジュール)が誤ってスラスターを点火した後、ステーションは「逆さまに停止する前に1.5回転(約540度)回転しました。その後、宇宙ステーションは180度前方に反転して元に戻りました。」と報告書が提出されているといいます。 

▼先日接続されたMLM-U(ナウカモジュール)の位置。今後更にモジュールを打ち上げ、将来的に赤枠部分を切り離し、ロシアは独自の宇宙ステーションを構築する
多目的実験モジュール『MLM-U』_1

また、スコヴィル氏によると「国際宇宙ステーション建設以降、緊急事態の発令はこれが初めてだった」と問題の大きさを指摘しています。ただ、当時内部にいた人はこれを感じていたのかというとそうではなかったらしく、最大でも毎秒0.56度でゆっくり回転し始めていたため気づかないレベルだったとのこと。

一方、NASA「宇宙飛行士が危険にされされたことはなかった」と説明していることについてスコヴィル氏もそれには同意しているものの、最初の発表よりも事故が深刻だったことは間違いないと考えられます。

ちなみに2021年8月4日時点でなぜナウカモジュールがスタスタ―を突然作動したのかは分かっていません。またNASAは冷静にこのようなコメントを出しているのですが、宇宙船に意図的に穴が開けられた事件以降の大きな問題であり、またロシアがやらかしたということで内心は怒り心頭と考えられます。
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