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アメリカが中心となり開発された西側では最新鋭戦闘機F-35。これに関してアメリカではF-35のパイロットが低酸素状態、つまり意識を失ったり正常な判断ができなくなる(=墜落の危険性が極めて高くなる)問題が発生していると是正措置が提案されていると報じられています。

ディフェンスニュースなど海外の軍事系ニュースサイトによると、米国下院軍事委員会の空軍および地上軍戦術小委員会は、2022会計年度の国防政策法を発表。その中に国防総省はF-35戦闘機パイロットの呼吸に関するシステムは調査を実施し、是正措置を提案したという趣旨の内容が報じられています。

F-35战机被曝发生40多起飞行员缺氧事件,美国军事委员会要求彻查

報告書によると、国防総省は2021会計年度の国防政策法でF-35戦闘機の問題を評価することを要求されています。この内容は昨年11月にNASAが発表した報告書に、F-35戦闘機の呼吸関連システムがパイロットの需要(求められる酸素量)を満たすことができないかもしれないというものがあったらしく、今回さらに懸念されることになったとのことです。

NASAの調査では、パイロットに対するインタビューと2機のF-35戦闘機の地上試験を行った結果として、この戦闘機はパイロットに必要な酸素を供給し続けることができず、パイロットの呼吸を変えさせたことがわかりました。これはより多くの酸素を得るための頻度に呼吸するようになったという表現や趣旨が記載されています。

調査報告書は次のように述べています。「F-35戦闘機で(物理的経験)を経験したパイロットは、急性および慢性の健康状態のために呼吸器系に損傷を与えます。この損傷は数日、数週間、数か月、さらには数日続く可能性があります。より包括的な評価を承認することにより、委員会は、米軍がこの戦闘機に費用のかかる変更を加える前に、まずは技術的な問題を迅速に修正することを望んでいます」というものです。

またF-35戦闘機は、2017年以降、アリゾナ州のルーク空軍基地の第56戦闘航空団に配備されているのですが、当時、多くのパイロットが低酸素症を経験したと述べているとのこと。更に2020年5月に墜落したF-35A戦闘機を含め、米空軍のF-35A戦闘機で27もの呼吸器系の問題が発生したと報告されています。

航空自衛隊のF-35Aの墜落死亡事故は

F-35Aについては実は日本国内で製造されたその1号機が墜落するという事故が発生しています。具体的には4月9日に青森県沖で夜間に発生したというものです。しかしその後の事故調査では低酸素状態が原因の候補として当然上がったのですが、「交信で問題無く受け答えしており全く考えられない。」としており、結果的に空間識失調が原因とされています。



この機体については墜落する直前まで一切回復するような動作は行っておらず、墜落直前の交信では意識が朦朧としている様子はなく、交信時の飛行高度は酸素マスク無しでも呼吸できる高度15500フィート(4700メートル)という理由から、低酸素状態という可能性としてはゼロと判断されているそうです。

ただこの手の航空事故では低酸素状態で意識が朦朧とした状態で墜落したケースというのは多々発生しており、最新鋭の戦闘機とその計器を備え、かつ航空自衛隊の中でもエリートパイロットが空間識失調を偶然にも起こす可能性はあるのかという疑問があり、パイロットがわからないレベルの低酸素状態で結果的に空間識失調に繋がった可能性は捨てきれないと考えられます。