桁違いな経済的損失、行動抑制、数百万人が死亡するという混乱を発生させ続けている新型コロナウイルス。その発生源、少なくとも世界で最初のクラスターが発生したのは中国であり、中国人医師の告発もねじ伏せ隠蔽していたのも中国なのですが、そんな国で最近、新型コロナの発生源は「アメリカ軍の研究だ」などと主張が始まっていると報じられています。
一昨年末より世界中で広まっている新型コロナウィルスだが、当初は中国武漢が発祥地かと言われていたが、中国ではその発祥地が米国陸軍感染症医学研究所のフォート・デトリック(USAMRID)だという噂が広まっている。最近、中国政府は外交部と宣伝機関などを動員してWHOが米軍実験室を調査すべきだと促すなど、この主張をさらに強く働きかけている。この元記事について、具体的な出典はないのですが予想では中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』になると考えられます。ではその記事でどのようなことが記載されているのか。
ゴゴ通信
新型コロナウイルス対策に失敗した米国は感染者数と死者数が最も多く、疑わしい点も最も多い。そのため、次の段階の世界的なウイルス起源解明調査において米国が重点的対象となるのが当然だと言えるだろう。と冒頭で説明しています。確かにアメリカでは大規模な感染拡大があったものの、このグラフを見て度の国が疑わしいのかは一目瞭然です。
▼中国の新型コロナウイルス新規感染者数。2020年、武漢での大規模クラスター発生以降、一度も大規模感染は発生していない。中国における1日あたりの新規感染者数はここ1年ほどなぜか100人未満になっている。
▼アメリカの感染者数。多くの国と同じように感染者数に波がある。
記事では『先週、中国外交部の趙利建報道官は、WHOにフォート・デトリック実験室の調査を促し、米軍が2019年に武漢で開かれた世界軍人体育大会に参加した際、中国にウイルスを持ち込んだ可能性を再び提起した。』
と記載されています。つまり中国に新型コロナウイルスを持ち込んだのはアメリカ人だと主張しています。ちなみに世界大会ということで世界中の選手が中国に入国しており、なぜアメリカ人の大会関係者が持ち込んだと断定し主張しているのか、その根拠が示されているのかは不明です。
結局中国政府は何をしたいのか、先日発表されたようにアメリカの情報機関が武漢ウイルス研究所から意図的ではないにしろ、流出した可能性があるというデータを入手したらしく、決定的なデータが示された場合、今後中国に対して何らかの制裁が加えられる可能性があるためです。
中国はこれまでも、WHOの視察が入る前は「新型コロナウイルスは冷凍品を経由して海外からもちこれまれた!」などと冷凍食品と外国に責任をなすりつけており、WHOの視察が終わってからはこれらの主張はぱったりと消えています。つまり、「アメリカ人が持ち込んだ!」という説とは全く違うことを繰り返し主張していました。
何れにしても、中国は過去にもこの手の感染症の発生を長く隠蔽していた前例があり、今回の初動対応を見ても何も変わっていないことは明白です。