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固定翼機とヘリコプターのイイとこ取りをしたV-22オスプレイ。垂直離着と固定翼機なみの航続距離、更に大質量を運べるという夢のような機体に仕上げられたのですが、その機体を開発したベル社は同じような機体で飛行中にプロペラが折りたたみジェット推進で飛行するHSVTOL構想の機体を発表しました。

今回発表されたのはHSVTOL、高速垂直離着陸機という概念の機体です。一般的に垂直離着陸可能な機体といえばF-35Bといった特殊な戦闘機とヘリコプター、そしてオスプレイのようなティルトローター機しかありません。

当然戦闘機は一人乗りで対戦闘機、対地攻撃専用です。ヘリコプターは飛行距離が遅く低速というデメリットが、ティルトローター機は高速かつ長距離を飛行可能で物資や人員も運べるという固定翼機と垂直離着陸の隙間を埋める極めて優秀な機体です。

ティルトローター機の代名詞になったV-22を開発したベル社。そんな企業が最近、飛行時は一般的なジェット推進で飛行し、垂直離着で使用するプロペラは折りたたむという機体を発表しました。これがHSVTOLという概念です。

詳細は明らかになっていないのですが、公開された画像からはどのような機体を構想しているのかがみてとれます。

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全体では左上に記載されていたものです。コックピットがあり、機体後部は輸送機のような形状になっていることから、オスプレイのように海兵隊などを登場可能な使用になっていると考えられます。

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そして2つ目、こちらは1枚目よりもコンパクトでより機動性を高めた機体デザインになっています。特徴的なのはノーズアート。このような口のようなアートは一般的に攻撃機に付けられるもので攻撃機として構想されていると考えられます。左右にドアも確認できることから、陸上以外の兵員輸送として強襲揚陸艦や一般的な駆逐艦に搭載するなどの運用も考えられている可能性があります。

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そして3つ目。こちらは無人機です。偵察機や無人攻撃機として運用が考えられているものと思われます。

このエンジンやプロペラはどのような構造になっているのか。詳しいことは分かってないものの、機体に搭載されたジェットエンジンを使用し発電し翼端のプロペラを動かすような構造になっている可能性があるそうです。

何れにしても非常に優れたコンセプトであり、一部メディアによるとアメリカの特殊作戦部隊が関心をもっていると報じられています。機体もステルス性に配慮された構造になっており、実質オスプレイの次世代機という印象があり軍側も興味をもっていることは間違いないと考えられます。

ちなみに飛行中にプロペラを折りたたむというのはNASAなどで研究が進められている資料を目にしたことがあり、現在の技術力では可能なものになっています。



参考