クイーンエリザベス

東アジアに派遣されているイギリスの空母クイーン・エリザベスを旗艦とした空母打撃群。これに関して南シナ海を航行中に中国の原子力潜水艦艦が追跡するという行動にでたものの、英国海軍に捕捉されたと報じられています。

韓国メディア中央日報によると、イギリス海軍のクイーン・エリザベスが東アジアに派遣するため南シナ海から太平洋に抜ける際に、中国海軍の093型原子力潜水艦 2席に尾行されていたと報じています。

中 핵잠수함, 英 항공모함 퀸 엘리자베스 미행하다 덜미 - 중앙일보

記事によると、イギリス海軍はこの海域抜ける際にほぼ間違いなく中国海軍が何かやってくると予想していたという表現がされており、あくまでイギリス海軍の発表として南シナ海を抜けてから約6時間経ったころに中国海軍の原潜を発見したとしています。

南シナ海といえば中国が人工島を建設し国際法に反して領海を設定している海域です。しかし、なぜその海域を抜けた6時間後にイギリス海軍が中国の原潜に追跡されていると発表したのか。記事を読む限り「イギリス海軍が発見に遅れた」とも見て取れるのですが、実際はそうではありません。
これは単純にイギリス海軍の対潜能力が分かってしまうため、あえて無難な位置・時間で発見できたと適当に発表しているだけにすぎません。また「浮上したのを発見した」という表現もないことから水中を航行している中国の潜水艦を発見したという意味合いになってくると考えられます。

当然中国海軍もあえてイギリス海軍に見つかるような方法で航行していた可能性があります。
ただ、アメリカ海軍であれば、この手の潜水艦は潜航後は一部の人間しか現在地を知らないと言われるほど管理されていると言われおり、基本的に核兵器を運用する原潜であれば当然敵に見つかってはいけないという運用方法がとられています。(ただし、093型原子力潜水艦は核を積んでいない攻撃型潜水艦)

捕捉されたのは中国海軍の最新型か

ちなみに今回探知された潜水艦は093型原子力潜水艦の中でも若干延長し水中放射雑音も抑えた改良型の093A型とされています。
093型原子力潜水艦シリーズは合計8隻建造されており2006年に配備された比較的新しい潜水艦です。その後、改良型の093A型が4~6番艦として2015年~16年に就役、更に改良された093B型2017~2018年に就役しています。つまり中国海軍では最新型となる派生型の一つということになります。



ちなみにその中でも最新型の093B型は、2018年1月に尖閣諸島『大正島』北東の接続水域に潜航した状態で侵入し午後にでるという行動に出ていたのですが、このときも自衛隊に捕捉されていることから093A型原子力潜水艦に関しては容易に発見できるものと考えられます。