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ダイヤモンドというと宝石として用いられていますが、工業用ダイヤモンドとして例えばダイヤモンドカッターというものが運用されています。そのような工業用として様々な素材で利用可能な、ダイヤモンドよりも硬いガラスの開発したと報じられています。

これは中国のCenter for High Pressure Science (CHiPS)の研究者らを中心に欧米の研究者が参加したもので、ダイヤモンドと同じ炭素をベースとした素材を用いて、ダイヤモンド表面に傷をつけることができるほど硬い素材の開発に成功したと発表しました。

World's strongest glass can scratch the surface of a diamondDiscovery of carbon-based strongest and hardest amorphous material | National Science Review | Oxford Academic

これはAM-IIIと呼ばれる新しい素材で、主に炭素で作られていることから人工・天然ダイヤモンドと似ているところがあります。この手のダイヤモンドは完全な格子構造の原子と分子の配置となっているのですが、AM-IIIは実は不整列で無秩序な状態でこれをアモルファスなど界隈では呼ばれているそうです。一般人からすると不整列だと逆に弱くなるというイメージがあるのですが、実はそうではないそうです。

アモルファス材料、つまり非結晶性個体としてはガラスやプラスチックが含まれているもののヤンシャン大学の科学者はフラレーンと呼ばれるサッカーボール型の原子構造を応用して今回のAM-IIIを完成させたとしています。
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具体的にどの程度高いのか。記事ではビッカース硬さ試験では113GPaの硬度を示しました。これがどれだけ凄いのかはよくわからないのですが、一般的な軟鋼はわずか9GPa、天然ダイヤモンドでも70~100Gpaとなっており、天然で最も傷つきにくいというダイヤモンド以上の数値を叩き出しました。

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さらにこのAM-IIIはバンドギャップ範囲1.5〜2.2eVの半導体であることもわかったといいます。これは高温・高圧の環境の極端に過酷な環境でも動作するものとして利用できるらしく、例えば太陽光のような光を電気エネルギーに変換する技術でも魅力的な素材だと指摘しています。
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