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現在ロケットはロケット花火のように固体燃料を燃焼させたり、液体酸素や水素を燃焼する案がありますが、筑波大学はマイクロ波を外部から照射し機体に当てるという方法でロケットを宇宙に飛ばすという案を発表しました。

これはJournalof Spacecraft and Rocketsに掲載されたもので、筑波大学が率いる研究者らはドローン用のマイクロ波を介したワイヤレス電力伝送を実証しこのプロセスの効率を決定することができたとしています。

Microwave-Powered Rocket Propulsion Gets a Boost - University of Tsukuba

研究チームは今回400gのドローンに対してマイクロ波ビームを当て、約80cmという近距離で30分間の飛行ができました。これは28Ghzのマイクロ波を用いたたもので、変換効率はビームを介した電力伝達効率はわずか4%。さらにドローンが照射されたマイクロ波を掴む効率が更に30%、受け取ったマイクロ波からドローン内で電気に変換する効率が40%とし、最終的な変換効率は0.43%としました。

つまり100の出力に対して、最終的にドローンが受け取り電気として使用できたのは0.43%ということになるのですが、同様の研究では過去に0.1%という効率になっていたといいます。

このようなマイクロ波は現在、伝送効率を改善することで例えば航空機や宇宙船、ロケットの推進アプローチとして用いる事ができるのではないかとしています。これは地上から飛び立つロケットに対してマイクロ波を照射。ロケット内の燃料を加熱させることで推進力を得るというものです。

このような方法は2015年にアメリカの宇宙ベンチャー企業『Escape Dynamics』が発表していたことがあります。
打ち上げ方法としては地上に設置した複数台のパラボラアンテナからマイクロ波をロケットに取り付けたセラミックマトリックス複合材料(CMC)から作った交換器に照射。この熱を使い液体水素を急速に加熱・膨張し噴射させることで推進力を得るというものです。

Escape Dynamics_2

この方法により従来のロケットに比べ72%ほど質量を削減することができるといい、代わりに大量の貨物を搭載し宇宙に送り込むことができるいとしていました。Escape Dynamicsは2020年にもこの方法でロケットの試射を目指すとしていたものの、2021年現在ホームページも消えています。