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タリバンにより間もなく陥落された首都。なぜアフガンで米軍に教育・訓練されてきたアフガン兵士が守ろうとしないのかという疑問があるのですが、実はその背後にアフガンにおける劣悪な教育状況が影響している可能性が示唆されています。

簡単にまとめると
  • アフガニスタン軍兵士の教育水準が極めて低く、基礎体力も劣悪だった
  • 言語が多く、そもそも軍隊でまともに言葉が通じなかった
  • 撤退決定以降、アフガニスタン軍兵士はタリバン側に寝返ってた
韓国メディア中央日報によると現在アフガニスタンにはアメリカ軍の支援のもと訓練を受けた兵士30万人が存在するものの、なぜ極めて短期間にタリバンに首都が陥落されるという事態が発生したのか。
タリバンは合計で7万人いるとされているのですが、その1/4弱、かつ武器や装備が整っているアフガン兵士が負けるとは到底考えられません。(アフガニスタン兵士は30万人ではなく5万人程度しかいなかったとともされている)

これに関して、記事によるとアフガニスタン軍に兵士らが極めて問題のある状態だったと記載しています。それによると、まずアフガニスタン全体における識字率がわずか43%しかなく、ワシントン・ポストによるとアフガニスタン軍に入ってくる新規兵士のうち小学校3年生以上の読解力をもっている者はわずか5%程度しかいないといいます。

何を言っているのかよくわからないのですが、アフガニスタンでは基礎的な教育が全くされていない状態で新兵が入ってくるといいます。100歩譲って体力でカバーできるだろうという考え方についても誤りであり、運動能力も劣悪でり、訓練や体操すらもまともに出来ない状態だと説明されています。



また、言葉が通じる者も一部いるのですが、そこにも問題があります。アフガニスタンでは公用語が2つあるといい、パシュトー語とダリー語。ただ、実際はそれ以外にも多くの言語を扱う地方からやってくるといい言葉が全員に通じないという、命令がわからないというまったく話にならない状態に陥るとしています。

それでも、銃を打てば敵は倒せます。これはナイフを使ってトマトに突き刺すようなもので、そこに言語はほとんど必要ないはずです。ではアフガニスタン兵士はどこで何をやっているのか。
なんと彼らは軍を抜けあろうことかタリバン側についたといいます。彼らは自分らの民族を守るため正規軍として働くのではなく、反政府軍つまりタリバン側に付くという態度を取ったとのこと。

アメリカはこれまでアフガニスタンに対して日本円で100兆円ほど費やしたとも言われているのですが、結果これまでの投資はすべて水の泡になりました。
アメリカ国内ではアフガニスタン撤退を決めたバイデン政権に対して批判的な内容が伝えられていますが、問題なのはアメリカ国民の大半がこの事実すら知らないとことです。事実を知らないというのはアフガニスタンの教育並に問題なことでありその方針を狂わせることになります。

それを当然知っているバイデン政権は「アフガニスタン軍自身が戦う意思のない戦争を、米軍が戦うべきではない」「米軍が1年または、5年駐留しても何の違いもないだろう」と話しており、ある意味で20年分を損切りをした表現は正しいと思います。

何れにしても誰かが行わなければならなかった撤退を決定したということは、家族に兵士を持つ方であれば評価する人も多いのではないかと考えられます。

ちなみに当然タリバンの兵士らもまともに教育が行われていない人たちで組織されていると考えられます。そのような人たちが蔓延る国家と今後いったい誰がどう交渉するのかは不明です。

参考