2021 PH27_1

地球と同じ惑星のように太陽をグルグルと回る小惑星。地球は365日かけて太陽を1周する公転周期となっているのですが、これに関して観測史上最も短い公転周期の小惑星を発見しました。

公転周期が短いとなると考えられるのは非常に高速で太陽の周りを回っているか、それとも太陽の近くを回っているか、私達素人でもおおよそがつくのですが、今回見つかった『2021 PH27』という小惑星はいったいどうなっているのか。

『2021 PH27』を発見したのはカーネギー科学研究所の科学者です。この天体は太陽の周りを113日で公転する小惑星で直径は1km。地球のように円ではなく彗星のように楕円軌道を描いており、金星軌道の外側まで遠くに行って再び太陽に最接近するという軌道を描いています。

2021 PH27

こちらが軌道の想像図です。金星(Venus)の外側まで行き、太陽に最接近し再び離れます。この周期が113日です。

太陽にかなり近くまで接近するということで熱くなりそうなのですが、想定では太陽に最も近づいた『2021 PH27』は表面温度が480度くらいまで上昇すると見ています。

どこから来て、これからどうなるのか

実は研究者はこの天体がいったいどこから来て、将来どうなるのかを予想しています。まずこの小惑星はどこから来たのかという疑問については、発見者によるとおそらく火星と木星の間にあるアステロイドベルト、つまり小惑星帯からなんらからの理由で軌道をそれ太陽に引き寄せられた天体ではないかと考えています。

そしてこの小惑星の将来です。この手の小惑星は地球と同じように安定した軌道を公転しているものも多いのですが、軌道が不安定だとしており、100万年以内に太陽に激突するか、現在の軌道を外れどこかに行ってしまうだろうと予想しています。

何れにしても100万年という天文学的なスケールになっており、私達が存在し続ける間は太陽をグルグルと回っていることが考えられています。
参考