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新型コロナウイルスに関して世界で最も高い接種率を誇るイスラエル。その接種率は18歳以上は80%が2回以上の接種をおこなっているとしています。しかし、新規感染者が過去最高の1万人を超えるなど感染拡大が広まっていると報じられています。

世界でも有数なワクチン接種率を誇っているイスラエル。多くの方がご存知のようにワクチン接種が非常に高く、研究するに値するほど優秀な国家・国民になるのですが、その優秀な国で今年7月以降新型コロナウイルスの新規感染者数が右肩上がりで増えていき、1日当たり1万6000人を超え、過去最大となりました。

冒頭紹介したようにイスラエルは12歳以上における2回目のワクチン接種率は実に80%となっているのですが、なぜこれほど多くの感染者数をだしているのか。

原因はデルタ株か

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こちらがイスラエルにおける新型コロナウイルスの新規感染数のグラフです。このよう2021年4月から6月にかけて非常に少なくなったものの、7月以降は急速に増え始めています。したがって「ワクチンが感染者を抑制している」とは残念ながら言えないような伸びになっています。

海外メディアによると、現在イスラエルで広まっているのはデルタ株です。デルタ株といえばアメリカでも大半の人がワクチンを接種し終わっているという健康意識が強い街でデルタ株が広まったという話しがあり、ここからも現在のワクチン接種ではデルタ株の感染を抑えることは難しいことが考えられます。

一方で、イスラエルはワクチンの効きが薄くなっているのではいかという見方も示しており、政府は8月1日から、60歳以上の高齢者を対象に3回目接種を開始。その後、30歳以上に対象を下げ、現在は12歳以上が対象になっています。ただし、2回目の接種から5カ月が経過していることを3回目の接種条件としています。
ちなみにイスラエル国民が接種しているワクチンは効きが一番いいとされているファイザー製です。

ワクチン接種で死や重症化は低減か…?

「ワクチンは意味がないんじゃないのか」説がでてくるのですがそうではありません。これも前々から言われているように、ワクチンを接種した場合はそうでない場合よりも感染した場合に重症化を低減できるというものです。

しかし、デルタ株流行以前は確かにワクチンを接種した人では感染した場合でも重症化しにくいことは分かっていたのですが、デルタ株については最近広まり始めたものでよく分かっていないのが現状です。

ただ、イスラエルにおける死者数と入院患者数を見ると過去の流行時に比べるとそこまで多くはなっておらず、ワクチンが死者や入院患者数の抑制にもしかしたら効いている可能性が伺えます。

▼死者数

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▼入院患者数
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何れにしても、現在新型コロナウイルスにおける対策としてはこのワクチンに頼るしかないことが現状であり、効く効かないは別にして、感染した場合に重症化や死のリスクを下げるという意味では有効な手段であることは間違いないと考えられます。