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オーストラリアに対して事あるごとに必要以上に圧力をかけていた中国。結果、オーストラリアの軍事力増強に繋がりました。オーストラリア政府によると、先日の原潜導入に引き続き、駆逐艦で運用するトマホーク巡航ミサイル、空軍向けにステルス巡航ミサイルJASSM-ERの導入を発表しました。

The DRIVEによると、オーストラリア政府はホバート級駆逐艦で運用するアメリカ製のトマホーク巡航ミサイルを購入するなどいくつかの長距離攻撃兵器 購入計画を発表しました。この計画は先日オーストラリアがイギリスとアメリカから原子力技術提供を受け原子力潜水艦建造を公式発表した翌日に発表された導入計画になります。

Australia To Buy Tomahawk Cruise Missiles, Will Get At Least Eight Nuclear Submarines

オーストラリア海軍には、2017年から2020年に就役したホバート級駆逐艦が3隻配備されています。これらは7,000トンの排水量のある艦艇で現在は主に防空任務用に最適化された装備になっています。そこで、トマホークの追加については、新しい長距離陸上攻撃および海上攻撃能力を提供するものになり、水上艦に強力な広範囲の攻撃能力を付与することになるとしています。

そしてもう一つ、オーストラリア空軍にはマルチロールファイター、所謂戦闘攻撃機などで運用可能な空中発射型の巡航ミサイルをあわせて導入します。これはJASSM-ERというもので、オーストラリア空軍F/A-18A/B ホーネットおよび最新鋭のF-35AライティングIIの両方で運用されます。

JASSM-ERについては複雑なのですがシリーズとしてはこのようなラインナップになっています。
AGM-158 JASSM…空対地巡航ミサイル(初期タイプ)
AGM-158B JASSM-ER…上記よりも射程を伸ばした発展型空対地巡航ミサイル
AGM-158C LRASM…上記の空対艦ミサイル版
AGM-158D JASSM-XR…JASSM-ERの大型・長射程の空対地巡航ミサイル(2021年時開発中)
オーストラリア空軍については対艦ミサイル版であるAGM-158C LRASMは既に導入しているのですが、今回は現在完成しているAGM-158B JASSM-ER、つまり空対地巡航ミサイルの導入するということになります。

▼AGM-158 JASSMのミサイルテスト


オーストラリアの原潜潜水艦にトマホーク配備か

The DRIVEによると憶測として、オーストラリアで今後導入される潜水艦にトマホークを搭載する可能性を指摘しています。これについてはアメリカやイギリスを見た場合、あくまで理にかなっているというものです。

現在オーストラリアがいったいどのような原潜を導入するのか、イギリスのアスチュート原潜か、アメリカのバージニア級か、それともオーストラリアの使用として適した全く新しい潜水艦を開発するのかは明らかになっておらず、今後最適な答えを見つけるべく18ヶ月間という時間をかけ決定する方針です。

その後、今後10年以内に原子力潜水艦を就役させる計画であり、現在置き換えを目指す既存の潜水艦に対して延命プログラムを実施。2040年代ごろまで運用を目指すとしています。

その兵器のターゲットは中国

兵器を導入する理由はその対象を破壊することなのですが、オーストラリアはいったい何をターゲットにしているのでしょうか。オーストラリアの周辺には驚異となる明らかな国は存在していないころからも太平洋に進出を図る対中国向けです。

中国は急速に海軍力を増強しており、今後数年以内に大量の空母を配備すると言われています。つまり現在アメリカおよびその同盟国が支配しているといっても過言ではない太平洋に、中国が入ってくるということになり、これに強く警戒しているものと考えられます。

事実、最近の西側各国の海軍の動きを見ても日本や韓国に相次いで入港するなど中国軍に対して相当意識した行動を見せています。このような点からも、今回オーストラリアが導入することになった潜水艦や各種ミサイルは、そのターゲットは中国になっていることは紛れもない事実です。

中国はこれまでオーストラリアに対して明らかな圧力をかけ続けており、オーストラリアもこれについては敏感に察知していたことは間違いありません。結局のところ非常識とも言える行動が、逆に自分の首を占める結果になったということになりそうです。
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