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人類と他の動物の差はいくつもあるのですが、人類は地球上で唯一埋葬する動物といっても過言ではないでしょう。これは自由に使える手があることも理由なのですが、5500年前のお墓の中から明らかに人工的に磨かれた球体が2つ見つかったと報じられています。

スコットランド本土の北にあるオークニー諸島のサンデー島。先日、この地域にある墓が発掘され5500年前に、死者と共に埋葬された磨かれた球体2つが発見されました。実は北欧地域ではイングランドやアイルランド、ノルウェーでもやはり同じような球体の石器発見されているとのこと。

Mysterious Stone Spheres Discovered in Ancient Tomb, But What Were They For?

この丸い石はいったい何なのか。当初、研究者らはメイスヘッドとよばれる、石にロープをくくりつけ投げて対象を仕留める道具と考えられていました。つまり生前、使用していた石が埋葬され、死後の世界でも使えるように…というそのような意味合いがあったとされていたと考えられます。

しかし、現在はそうではなく球体は芸術的な目的でのみ作られたと考えられているそうです。研究者によると、この石器がその集団における地位などを誇示するために持っていたり、何か重要な儀式でプレゼントするというようなことに使われていたのではないかというものです。
研究者によるとこのような球体状の石器は新石器時代後期と考えられていたものの、現在は初期から行われていた可能性があると指摘しています。

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お墓といっても掘って埋めるというものではなく、部屋のような構造になっており、球体の石器は埋葬室の2つの異なる区画の隅で見つかったとのこと。この墓にはそれ以外も陶器の破片やナイフのようなものが見つかっています。

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現在、この球体の石器がどのような理由で作られたのか、想像することしか出来ないのですが、研究者によると砂と水、石を手に磨き上げる必要があるため、相当長い時間かかっていたことは毎違いないと説明しています。


石で作られたお墓…ここから見ても石というのは非常に重要な存在であったことに間違いなく、それを自然には存在しないような球体に磨き上げることで、交流の最に集団の権力や技術を誇示するため装備していた可能性も考えられます。今でも水晶といった高級な石を集めたり、石に対して魅力を感じる人がいますが、どうやら石に対する思いは長く続いた人間と石の歴史からきている可能性があります。