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その飛行能力や他にはない柔軟な積載力などから、様々な装備が搭載される輸送機。これに関してアメリカ空軍が運用する特殊部隊作戦機となるMC-130Jにフロートを搭載し、水上から運用可能にする機体が現在開発されています。

アメリカ空軍特殊作戦コマンド…名前からして色々と物騒な部隊なのですが、彼らがその作戦に使用している機体の一つとしてMC-130 コンバット・タロンがあります。これは『C-130』と付いているように元は輸送機ですが、それを改造し特殊部隊を展開可能な各種装備を搭載した派生型になります。

Air Force Special Operations Command Turning MC-130J Into Flying Boats

その最新型となるMC-130 コマンドーIIを改造し水上からの離着陸を可能にするという計画が始まったと報じられています。

同じような案は1960年代にもあったものの、結果的に不採用になり配備はされなかったとのこと。そして1980年代にも小型の水上及び陸上に着陸可能な機体が提案され、アメリカ沿岸警備隊に就役したものの、冷戦中の技術進歩もありその価値が低下。以降は配備されていないとしています。

しかし近年、その活動範囲が広まる中、世界情勢も変化しつつあり再び同じような機体が議題に上がったとのこと。

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問題は今後試作されるのかという点ですが、記事によると、「取り外し可能な水陸両用フロート」を開発することにより、MC-130Jの滑走路の独立性と遠征能力を高めることができる」という利点があるといい、プロトタイプの取り組みを実施するという趣旨の発表があったとのこと。

現在今後17ヶ月間で運用能力を調査するデモンストレーションが実施できるよう5つのフェーズを設け開発を進めるとしています。

配備する理由は…もちろん中国

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正直なところ最近「中国が驚異だ!!」と理由をつけ予算を獲得、いろいろ作って配備してみようという理由も一理あると思われるのですが、この機体についても念頭にあるのはやはり中国にあるとしています。特に広大な水域を守るとなると迅速に展開可能な航空機は魅力です。例えば滑走路が破壊された島などに部隊を展開するには海か空しかなく、そうなると空から空中投下できる装備には限定されてしまいます。

そこで航空機を水上に着水し、迅速に重装備の兵士を展開する…という案は一般人でも思いつくのですが、本当に使えるのか?何れにしてもこの手のフロートが着水できる環境も限定されており運用はなかなか難しいところがあると思います。