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道端に捨てられるタバコ。単純にゴミを捨てているのと変わらない人格を疑うような行為なのですが、この行為は日本を始め世界中で問題になっています。一方、韓国はタバコの吸い殻を市民ら回収させ、リサイクルして家具を作るという理解しがたい対策を始めたと報じられています。

100害あって一利なし。これはこれは人体に対しても環境に対しても言われることですが、今回はスモーカーが捨てるタバコの吸い殻についてです。韓国は政府及び自治体が協力して吸い殻を回収して金をかけてリサイクルするというよくわからない案を来年5月まで行うことが決定されました。

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韓国の環境部(日本でいう省)は今月24日ソウル江北区庁で韓国循環資源流通支援センターとタバコの吸殻回収・リサイクルシステムの試験構築及び運営に関する業務協約を結んだと発表しました。

記事によると、喫煙者が街に捨てたたばこの吸い殻は『都市美観を損なう主な原因』として指摘されてきたといいます。これについて1993年以降、韓国ではタバコの箱1箱あたり24.4ウォン(約2.3円)の廃棄物負担金を導入。吸い殻がたくさん捨てられるところにゴミ箱の設置を支援してきました。しかし、目立った変化はなかったと言います。

海外でタバコの吸殻のフィルターの主な成分となるセルロースアセテートというプラスチックに注目。アメリカやフランスでは民間企業がこれを回収しタバコのフィルターゴミから家具やレンガを作るなどリサイクルの動きがでているとのことです。

そこで環境部は海外の事例を例に習い、来年5月まで9ヶ月間、国内で回収からリサイクまでを検証し全国に展開できるか調査します。

問題はその回収を誰がやるのか。記事によると「たばこの吸い殻回収補償金支給事業」という回収補償金支給事業に割り当てられている金(予想では税金)で、吸い殻1グラムあたり20ウォン(約1.9円)、月最大6万ウォン(約5600円)を与えるという内容を発表しました。これを住民に対して回収センターに持っていくことで回収を行う予定です。

リサイクルにも金がかかる件

ツッコミどころはいくつかあるのですが、問題は有害物質が付着したフィルター部分をどう無害化するのかです。政府は専門家と共に有害物質除去する方法を試す計画があるとしています。つまり現時点で稼働できるシステムがあるというわけではないという表現になっているのです。
政府としてはまずは相当量必要な吸い殻の回収がうまくいくのか、その判断が行われた後にリサイクルできるか、出来ない場合はそのまま焼却という判断をすることになると考えられます。

喫煙者のゴミを税金でリサイクルという問題

問題なのはなぜ喫煙者が捨てたゴミをわざわざ税金で無駄にリサイクルしなければならないのかという点です。海外では民間企業が行っているということから、本来であれば民間企業が行うような内容です。

何れにしてもリサイクルしたとして、そもそも極めて安価なレンガやプラスチックに生まれ変わらせて一体何の意味があるのかという疑問もあります。
それならばタバコに対して改修費用を上乗せして無駄にリサイクルせずに焼却したほうがよほど効率的と考えられます。これができないのは、事あれば「リサイクルだ」などという現在のよくわからないエコの推進にあるものと思われます。