北朝鮮 火星-8号_2

北朝鮮メディアによると今月28日午前に打ち上げた弾道ミサイルに関して極超音速ミサイルの「火星8型」の発射実験を行ったと伝えました。この兵器は北朝鮮が2021年1月に開発を発表していたもので、韓国側では28日の午後の時点で「極超音速ミサイルの試験だった可能性がある」と伝えていました。

北朝鮮の『朝鮮中央通信』は9月28日午前、慈江道龍林郡都陽里で新しく開発した極超音速ミサイル「火星8」型の試射を行ったと発表しました。

記事によると、この発射については党中央委員会の朴書記が国防科学部門の指導幹部らが試射に立ち会ったとしており、最近動向が伺えない金正恩氏は今回も立ち会わなかったとしています。

今回の発射は第8回党大会で示した『国防科学発展および兵器システム開発5ヵ年計画』の戦略兵器部門のにおける最優先5大課題である『極超音速ミサイルの研究開発』だとしており、開発プロセスに従って推し進められてきたとしています。この兵器については「先端国防科学技術力を非常に高め、わが国家の自衛的防衛力を全面的に強化する上で大きな戦略的意義を持つ」と主張しています。

極超音速ミサイルについては「打ち上げが成功した」という直接的な記述はないのですが、「ミサイル燃料系統とエンジンの安定性を実証した」「すべての技術指標が設計上要求あれたものを満たした」という内容が記載されており、事実上打ち上げは成功したと発表しています。
合わせて「ミサイルの飛行制御・安定性を実証した」「分離した極超音速飛行戦闘部(つまり極超音速で滑空する機体部分)の誘導機動性と滑空飛行特性を実証できた」とも説明しています。

ただしこれまでのように「○○km飛行し、目標を正確に打撃した」という表現の記載はありません。

火星8

北朝鮮 火星-8号

こちらが聯合ニュースが公開した朝鮮日報通信で公開された写真です。これを見ても分かるように先端部分は通常の弾道ミサイルのそれとは異なり翼が付いています。

極超音速ミサイル

なぜこのような翼が付いているのか。それは通常の弾道ミサイルは宇宙を突き進むもののこの手の極超音速ミサイルは大気圏を高速で滑空するためです。これは極超音速滑空体(HGV)と呼ばれているもので、打ち上げ後弾頭部分を切り離し降下。大気圏内を上下しながら速度を落としつつ、極超音速、もしくは超音速で滑空、進路を変更しながらターゲットに命中するという兵器です。

そのため弾頭部分の進路予想図が困難で従来の放物線を描きなら単純に落下する弾道ミサイルより迎撃が難しいという特徴があります。

北朝鮮 火星-8号_1

ではこれを打ち上げたミサイル部分を見ていきましょう。これについてはなんとも言えないのですが、火星8のベースとなったミサイル(ロケット)本体部分は火星13もしくは火星14のものがそのまま流用されたと考えられます。

火星12と火星14

こちらが火星13と火星14です。エンジン部分を見ても分かるように、一つのメインエンジンの前後左右に4つの小エンジンが搭載されています。これはバーニアスラスターなどと呼ばれているもので、要は姿勢制御用のエンジンです。つまり北朝鮮の弾道ミサイルシリーズである『北極星』ではなく『火星』と発表していることからも液体燃料で打ち上げる兵器ということになります。

つまり射程などは火星13~14程度になると考えられ、その射程には当然日本全土が入っているということになります。
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