交通事故

人流から物流、現代生活に欠かせない様々な地上交通。その中でも道路は社会生活の基盤になっているのですが、残念ながら事故が発生してしまいます。今回はあまり知られていない世界最大の人口を誇る中国の事情を紹介していきます。

交通事故というと一昔前は交通戦争なる言葉がでるほど交通事故による死傷者が多くでていました。しかし近年は車の高性能などもあり右肩下がりになっており死者数なども減少しています。では今回はお隣中国はどうなのか。交通事故の傾向について今回はその研究データを紹介していきます。

Road traffic mortality in China: analysis of national surveillance data from 2006 to 2016 - ScienceDirect

これはあくまで中国当局が発表しているデータでの研究結果として中国では2017年に26万2000人、つまり1日あたり717人が国内だけで死亡したとしています。これは単純に人口が多いということがあるのですが、これは世界における年間交通死亡者数の21%を占めています。

一方アメリカでは毎年3万6000~4万2000人あまりが交通事故で死亡しています。単純に中国は14億人、アメリカは3.3億人で4.2倍多いということになるのですが、単純にアメリカの死亡率を4.2万×4.2倍で中国の数に合わせたとしても17万人となり中国の26万人という死者数にはなりません。



では車の数はどうなのか。実はアメリカと中国の車の数はさほど変わらず約2億8000万台程度としています。つまり車一台あたりの死亡率は中国では極めて高いということになります。

中国における交通事故による死亡率については2006年が10万人あたり12人、2011年には15.5人に増え、2016年には10.4人に減少しています。
具体的な内訳については死亡しているのは男性、高齢者が多く、特に農村地域で多く発生しています。そのため研究では都市部と農村地域ではかなりの格差があるとしています。



中国では車以外もバイクが多く利用されておりその交通事故もかなり多いと考えられます。ただ、中国における交通マナーは他の先進国に比べるとまだ良いとは言えず、原因はやはりこれにかる可能性が考えられます。