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先日21日、韓国の羅老宇宙センターから打ち上げられたヌリという3段式ロケットの打ち上げに失敗したことに関して、人工衛星の投入ができなかった理由は3段目が通常よりも46秒早く燃焼を終了し、速度が得られなかったことが明らかになりました。

韓国の複数メディアによると、今月22日、韓国航空宇宙研究院(航宇研)の研究員は今回ロケットを打ち上げた高興の羅老宇宙センターでヌリロケット初号機の打ち上げが失敗した原因について会議を行ったと報じました。

この会議で出たことに関しては人工衛星を最終的に起動に投入する3段目の燃焼が46秒も早く終わってしまったことで、必要な速度が得られなかったことが分かりました。この速度については予定では秒速7.5kmでダミー衛星を放出し地球軌道に載せることになっていたものの、燃焼が止まったことで秒速6.7kmにとどまり、地球に落下する速度で放出することになりました。

原因関しては、研究者は「3段目のロケットエンジンそのものより、燃料注入系統や動作信号を送る電子系統の誤作動が最も疑わしい」と指摘。つまり燃料供給系に何らかの問題が生じて異常停止したというものです。

ヌリロケットについては予定では967秒後に人工衛星を切り離す予定だったものの、このトラブルで917.8秒後に切り離しを実施していました。その結果、ダミー衛星は弾道軌道になり地球を1周もすることなく落下したとみられています。

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コ・ジョンファン韓国型発射体開発事業本部長によると、ヌリロケットは1段目、2段目は燃料がしきい値を超えると自動的に燃焼を終了するという設計になっているものの3段目については特定の高度と速度に達したら燃料の有無に関わらず自動的に停止するプログラムになっており、燃焼自体は正常だったことから高度などの信号に誤差が生じたことに原因がある可能性が考えられています。

また別の理由としては3段目のエンジンはターボポンプで燃料の圧力を高めエンジンの燃焼室に送り込む動作をしているものの、この圧力が十分に高まらず燃料が途絶えたことで停止した可能性も考えられるとしています。

参考