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現在宇宙に存在する宇宙ステーションは主に国やその元の組織が管理しており、当然使用するには国の許可が必要になってくるのですが、一方で近年民間企業が独自に宇宙ステーションを運用するという計画がでています。今回はアマゾンの創設者でお馴染みのブルーオリジンが計画しているオービタル・リーフです。

今回ブルーオリジンが発表した計画に関して、どのようなものになっているのか細かい使用としては2020年代後半、つまり2030年までに電力システム(ソーラーパネル)、コアモジュール(最初に打ち上げる基礎システムを搭載したモジュール)、そして居住モジュール、科学モジュール、そして有人宇宙船で構成されます。

Blue Origin | Blue Origin and Sierra Space developing commercial space station
Blue Origin unveils plans to build a private space station called Orbital Reef by 2030 | Space

現在計画されている内部容量については830立法メートルとしており、国際宇宙ステーションの916立法メートルよりも若干小さくなっているとのこと。ただ、現在はあくまで構想されているサイズであり、今後もモジュールを追加することで巨大化することはできると説明しています。



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オービタル・リーフはあくまで民間企業が保有する宇宙ステーションということもあり、お硬い国際宇宙ステーションとは異なり様々なもので運用します。例えば宇宙ホテルとしてモジュールを追加することでそのような観光ができたり、映画などの創作活動も行えるようになるとのこと。

もちろん科学研究などは行える環境は揃っており、ISSの研究をそのまま引き継ぐようなことができるとしています。

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NASAの商用地球低軌道開発(CLD)がきっかけ

そもそもなぜ宇宙での活動が現在殆どない、ロケットすらもまともに運用できていないブルーオリジンがこのような構想を発表したのか。理由は2021年7月にNASAが発表した商用地球低軌道開発(CLD)にあります。

このCLDとは簡単に言うと、民間企業に宇宙ステーションを開発させてNASAが資金を提供する代わりに施設を利用させてもらうというものです。これはNASAが中心に民間企業にモジュールを作らせNASAが運用してきたという従来の国際宇宙ステーションとは逆のような構図になっています。

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このような「開発資金を渡し民間企業に作らせる」というのは既に民間宇宙船分野でも同じことが行われており、スペースXのクルードラゴンなどがその計画で誕生したものになります。

宇宙ステーションとなると莫大な運用コストかかるもので、NASAは現在国際宇宙ステーションの維持に年間35億ドル(3600億円)支払っています。これがどのくらいの規模なのか、2021年度におけるJAXAの年間予算が1500億円となっており軽く倍以上という額になっています。

したがって、この額が仮に半分になったとしても相当な費用軽減ができるものであり老朽化した国際宇宙ステーションを今後も維持し続けるにはリスクも生じるため、引退までには民間企業による宇宙ステーションを展開したいという思惑があると考えられます。

一方でこのCLDに関してはロッキード・マーティンが中心にナノラックス、ボイジャースペース案の『スターラブ』案が先日発表されました。こちらは一つのモジュールで運用するというもので、かなり簡素なものになっています。



一方でオービタル・リーフはシエラ・スペース、ボーイング、レッドワイヤー・スペース、ジェネシス・エンジニアリング・ソリューションズ、アリゾナ州立大学などの研究機関が参画しているとのこと。

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