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高出力のレーザー兵器開発を目指している米軍。高出力であればあるほど、より短時間、より遠くにそして高い攻撃力を確保できるのですが、300kWという高出力レーザー開発に関してゼネラルアトミック及びボーイングは米陸軍と開発契約を受注したと発表しました。(画像は参考資料)

海外の軍事系メディアによると、今月25日ゼネラルアトミックは米陸軍から300kWの高エネルギーレーザー兵器システムの試作機に関する契約を行ったとする発表をしたと報じてます。ただ、この発表に関してはあくまでデモンストレーション用の設計だとしており、同社およびボーイングは調達プログラムに関連しているという内容までは言及していないとのことです。

発表によると、試作機はゼネラルアトミックが分散型ゲインレーザー技術を担当、ボーイングは対象の捕捉、トラッキング、照射技術を開発するというものになっており、これらを組み合わせて高精度の試作レーザー兵器を作りたいとしています。

開発チームによると、1年ほど前に100kWクラスの高エネルギーレーザーを250kWまで拡張できるようなものを過去に発表していたといい、当時も2社が共同開発していることが明らかになっていました。

この手のレーザー兵器に関しては亜音速の巡航ミサイルなどを撃墜するには300kW~600kWは必要とされています。


レーザー兵器の難点

レーザー兵器といえば低コストで運用できる兵器というイメージがあるものの実際の運用はかなり難しいものになっているそうです。例えば現在、アメリカ軍では装輪の装甲車に対して50kWクラスの短距離移動式レーザー防空システムの開発を行っています。


しかし、プロジェクトに近い関係者によると、50kWのレーザーシステムの出力を満たすことが難しく、熱や冷却の処理に大きな課題があるとしています。具体的にはレーザーシステムに入力されたエネルギーの約3分の2がレーザーではなく『熱』に変換されてしまうという問題です。アメリカのノースロップ・グラマン社が開発したレーザーモジュールについても、レーザーの試験で相次いで火災が発生するという問題があり入札から撤退しているとのこと。

米海軍は水陸両用艦のUSS PonceとUSS Portlandにそれぞれ30kWと150kW級の高エネルギーレーザーシステムを搭載して試験を行っているものの発射の合間にバッテリーを充電する必要があるというもので通常のミサイルのように連射が効きません。 この問題を解決するにはより強力で大容量のバッテリーを開発を目指す必要があるほか、水上艦の主電源またはバックアップ電源として強力な電源システムの開発する必要があるとのことです。

レーザー兵器は現在、特に高出力になればなるほど放熱の問題、電源回りの問題があります。このような問題から米軍の高エネルギーレーザー兵器の開発が大きく遅れているとのことです。 ジェネラル・アトミクス社とボーイング社の声明では、まずは試作機を開発するための準備を進めている段階だとしています。
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