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先日、韓国が開発した国産ロケットが最終段階でトラブルが生じ打ち上げが失敗したことに関して、第3段ロケットの酸化剤を加圧するシステムに問題が生じ、そこから酸化剤が失われたことでエンジンが早く停止していたことがわかったと報じられています。

2021年10月22日、韓国から南側に打ち上げられたヌリという3段式ロケット。人工衛星を投入する速度に達することができずダミー衛星が墜落、打ち上げが失敗したことに関して、第3段エンジンの酸化剤加圧ラインに故障が発生しそこから酸化剤(液体酸素)が漏れだしエンジンに供給できなくなったことが原因だと発表しました。

ヌリロケットは1段、2段は順調に燃焼し、3段目は予定されたよりも46秒も早く燃焼停止。第三段は最終的に人工衛星を地球周回軌道に乗せるため重要な速度を得る必要があるのですが、46秒早く燃焼を停止するとダミー衛星は地球に落下する軌道、つまり弾道ミサイルのように落下する軌道に投入されることになります。
結果的にヌリロケットは十分な速度が得られず打ち上げは失敗しました。



韓国航空宇宙研究院によると、今回はすべてのデータを分析した結果、加圧システムの故障とそれにともなう酸化剤の漏れがわかったもので、燃料の注入量や重要なエンジンには問題はなかったとのこと。当局としては今回の打ち上げについては例えばエンジンが点火しないなどのエンジン回りのトラブルを心配していたものの「技術的にはそれほど難しくない箇所でトラブルが発生した」と説明しています。

ヌリロケットについては2022年5月にも打ち上げが予定されているものの、今回のトラブル発生を受け当然これまでの機器をそのまま搭載して打ち上げるということは欠陥を抱えた状態になるため何らかの改良が必要です。そのため、この打ち上げ予定日に関しては見直しがされる可能性がでていると報じらられています。

参考