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相次ぐ核実験と弾道ミサイル試験で国連から制裁措置を受けている北朝鮮。輸出入は厳しい規制されているのですが、韓国の政府系企業の幹部が北朝鮮から石炭を輸入している疑惑が持たれた一連の出来事で、この企業の幹部が虚偽答弁を行ったとして懲役10月、執行猶予2年の判決となったと報じられています。

韓国メディア朝鮮日報によると、韓国大法院は先月31日、政府系企業幹部A被告が過去に行われた国会の国政監査で「(北朝鮮からの石炭輸入は)聞いたことはない」と述べ、これが後に偽証(国会証言鑑定法違反)の罪となり起訴、二審判決で懲役10月、執行猶予2年が確定しました。

この人物は韓国南東発電という政府系企業で勤務しており、2018年10月に国政監査に証人として出席しており、国会議員への質疑が行われた際に北朝鮮産石炭の輸入に関しては知っていたにも関わらず「しらない」と発言。また「北朝鮮産と疑われていることについて知っているか」と質問され「そんな話は聞いていない」と回答、しかしこれが後に知っていたことになり虚偽の答弁を行った疑いで起訴されていたものです。

記事によると2017~18年に北朝鮮産石炭を韓国に持ち込んだ疑惑があるというもの、実態は記事には記載はされていないのですが、国連の北朝鮮決議違反になりかねない行為を本人がどこまでしっていたのかです。

A被告はそのような話は「知らない」と繰り返したもののその後行われた捜査では、A被告は2017年時点で税関による調査が行われた際に「南東発電が輸入した石炭は北朝鮮産と疑われており調査を行う」と告げられていた事実が明らかになり、少なくとも彼は2017年時点で輸入していた疑いがかけられていると口頭で告げられて、知っていたということになります。しかし彼は「そんな話は聞いていない」と虚偽答弁を行った点で偽証罪となりました。



北朝鮮に関しては国連による決議2270で北朝鮮からの石炭輸入は禁止されているのですが、2016年9月の決議2321では「北朝鮮からの北朝鮮原産の石炭の輸出については年間400,870,018米ドルか750万トンのいずれか低い方に上限を設定」というものがあります。かりに韓国が北朝鮮からの石炭を輸入していたというても、不正ではないと考えられるのですが、いろいろと問題が出てくる行為ということになりそうです。

一方で、2017年5月時点で韓国は第三国を迂回する形で北朝鮮産石炭を中国産と偽装する形で韓国に搬入していることが明らかになっており、実態としては限りなく不正を行っていた可能性が高いと考えられます。