プロジェクト カイパー

アメリカを中心に大量の人工衛星を打ち上げ、アンテナ端末と電源があればどこでもインターネットがつながるという夢のような事業について、アマゾンが来年にプロトタイプとなる衛星インターネット用の人工衛星を打ち上げる計画があると報じられています。

海外メディアによると、この計画は『プロジェクト カイパー』と呼ばれるもので、無数の通信衛星を地球軌道に展開することで地球上どこでもインターネットにつなげるという、スペースXが現在実施しているスターリンクと同じものです。

カイパーという意味については、予想ではカイパーベルトという海王星の外側に無数に存在する小惑星群のもので、要するに地球から見た打ち上げる大量の人工衛星がその小惑星の分布に似ているという理由でつけられたものと考えられます。

さて、そんな大量の人工衛星を打ち上げるとしているプロジェクト カイパーではどのような規模になるのか。記事いによると、2022年第4四半期にプロトタイプの人工衛星を2基(カイパースター1,2)を打ち上げ、将来的に3200基程度の人工衛星を地球低軌道に配置します。


現在プロジェクトカイパーで打ち上げる衛星については試験されている段階で開発はかなり進んでいるとしています。一方でこの大量に衛星を打ち上げるとなると相応のロケットが必要となるのですが、スペースXとは異なりロケットを持っていないアマゾンはどうするのか。
記事によると、ABL SpaceSystemsが開発した新しいロケット『RS1』というもので打ち上げるとしており、すでに契約を行っているとのこと。
ただ、このロケットについては現在も初号機が打ち上げられていないという実績が皆無なロケットであり、アマゾンはユナイテッドローンチアライアンスと契約していることから、こちらでの打ち上げも想定していると考えらます。



一方で自社ロケットで大量の人工衛星を打ち上げているスペースXは既に1700基のスターリング衛星を打ち上げており、今後、大量輸送が行えるロケットの開発が進められていることからも、アマゾンがこれにコストパフォーマンス面でも対抗できるのかは相当疑問となっています。

ちなみにアマゾンのサービス開始は少なくとも578基を打ち上げてから実施するとしており、今後数年先とみられています。また利用料金や通信速度なども発表されていません。