image5

古来から人間は金を崇め、装飾など地位の高い人がそれを身につけるということがされていました。現在は電子パーツなど装飾以外でも使われることもあるのですが、この金という元素について、どうやら中性子星という巨大な恒星の残りから生まれた可能性があることがわかりました。

鉄に比べてなぜ金は少ないのか。「もうちょっと多くてもいいんじゃないか?」と思ってしまうのですが、そもそも金はどのように生まれるのか。当然、金を人工的につくることは非常に難し、わざわざそれをしてまで金を作ることはありません。

つまり自然界で金は生まれたということになるのですが、いったいどこから来たのかというのが今回のテーマです。ご存知の方も多い多いように鉄(Fe)までの元素は太陽といった恒星が作り出します。これは恒星内で生じる核融合というもので、この鉄のほとんどは恒星由来となっています。つまり私達の体を作り上げているカルシウムなどの元素も大半が恒星由来ということです。

問題となるのは鉄以上の重たい元素はどのように生まれるのか。つまり太陽よりよりパワーのある何らかのとてつもない現象がなくては生まれることはありません。それは超新星爆発です。超新星爆発とは太陽よりも巨大な恒星が晩年、核融合反応停止することで急激に重力崩壊し莫大なエネルギーを発する現象です。これは地球から別の銀河を見た場合、超新星爆発で発するエネルギーは観測している銀河一つ分の明るさに見えるなどとも言われるほどのエネルギー量です。

この超新星爆発でも金なども重い元素は生まれるのですが、少なくとも現在ある金の量とこれまで発生したであろう超新星爆発の回数では大きな差があることがわかっています。

Neutron star collisions are a “goldmine” of heavy elements, study finds | MIT News | Massachusetts Institute of Technology

さてここからが本題になるのですが、今回アメリカとイタリアにある重力波観測所「LIGO」と「Virgo」の観測結果として、金などの重い元素は中性子星が衝突したことで大量に生まれることが示唆されました。量としては金などの重い元素の質量はなんと地球質量の数倍になるとのこと。

中性子星はその直径は数10kmという天体にも関わらず質量は太陽に匹敵するというとてつもない高密度の天体です。中性子星の衝突でなぜ金が生まれるのかは専門的な知識が必要になりそうなのですが、私達一般人の理解としては、互いをぐるぐると回る2つの巨大な恒星が超新星爆発を起こした後に残る中性子星が距離を縮め接触した時に、金やプラチナといった重元素が生まれるという認識でよいと思います。

ちなみにブラックホールと中性子星の合体でも生まれる可能性はあると言われているのですが、今回の研究では半分から1/100程度と予想されています。

金の誕生についてはかねてより超新星爆発説があったのですが、現在は中性子星衝突説が有力であり、重力波望遠鏡が誕生したことでほぼ後者が有力になっています。
このエントリーをはてなブックマークに追加