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世界的に価格が高騰している石炭。オーストラリア産の良質な石炭であれば昨年に比べて130%増、2001年に比べて6倍程度高くなっているのですが、そんな中、中国における石炭の価格が僅か3週間あまりで半分程度に下落するという現象が発生していると報じられています。

海外メディアによると、最近中国では国内の石炭生産量が爆増したことでわずか3週間あまりで取引価格が半分に落ちたと報じられています。

記事によると、2021年10月中国で石炭1トンあたりの価格は史上最高額となり、当時1トンあたり1835元(3万2000円)を記録したものの、その3週間後となる11月初旬には大幅に下落し、1トンあたり900元程度まで下がっているとのこと。

その理由については中国では石炭の採掘量を制限していたものの、何故か一転し石炭生産をあらゆる手段を使って掘削するよう指示があったといい、その指導以降石炭の生産量が急増したとのこと。その量としては11月初旬で1193万トンという規模で、これはここ数年でも最大量となっているとのこと。

中国では慢性的な電力不足に陥っているといい、今後暖房などの需要で需要が更に増すことが予想され都市全体がブラックアウトするような事態を引き起こしかねません。また中国では伝統的に石炭を暖房として使うことがあるらしく、その価格を抑えたいという理由もあると考えられます。

いずれにしても電力不足など石炭を引き金に混乱が生じていることから、習近平政権の失策とも捉えかねない状態で国民の不満が高まらないよう掘削を最大化していることは間違いなく、今後も石炭価格については、来年の春以降も不安定な値動きをする可能性が考えられます。



ただ、こちらの記事でも紹介したように中国の石炭については海外のものに比べて質が悪く、「特に発電用の石炭については海外に依存している」としていることから、発電以外の用途で使用する石炭を掘削しているということになりそうです。

参考