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地球に最も近い天体月。最近、この天体を利用することで例えば深宇宙を目指したり、宇宙観測に使用するという案がでているのですが問題はそこでどのように暮らすのかです。最近、人間に必要な酸素について「月の表面に大量の酸素がある」という研究が発表されたと報じられています。

オーストラリア・サザンクロス大学の理工学部ジョン・グラント博士によると、過去の研究から月の表面にありレゴリスという砂には重量の45%近くが酸素原子で構成されているとしており、この量は80億人が10万年暮らせる酸素量に匹敵しているといいます。

The Moon's Surface Has Enough Oxygen to Keep Billions Alive For 100,000 Years

明らかに異常な数値になっているのですが当然そこにはトリックがあります。この計算は非常に曖昧なもので、まず、NASAの研究による推定値としてレゴリスの縦横高さの1立方メートルあたり1.4トンのレゴリスがあり含まれている酸素は630kgとのこと。かなりの量になるのですが、これは1人の人間が2年以上生きられる酸素量になります。

このレゴリスは月では平均で約10mほどの高さまで積もっており仮に月の表面からすべての酸素を抽出できるとなると今回の「80億人が10万年暮らせる酸素がある」というものになります。

▼レゴリスにつけられた足跡
レゴリス

いずれにしてもレゴリスから酸素を抽出できれば現地調達できるということになり、酸素は冷やすことで酸化剤というロケットエンジンに必要なものにできるなど用途は多岐にわたります。

当然レゴリスから酸素と抽出するにはエネルギーが必要です。具体的にはまずは電力が必要であり、例えばベルギーのスタートアップ企業Space Applications Servicesは酸素製造プロセスに必要な電力を原子力で行うための小型原子炉の開発を発表しています。

いずれにしても大変な手間とコストが掛かりそうなのですが、地球よりも重力が小さいというメリットや現地で作ることができるため、地球から持っていくことに比べるとそれ以上のメリットがあります。今後酸素の抽出は月での実験テーマになっていくと考えられます。
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