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みなさんも「焦げたものには発がん性がある」などと耳にされたことがあると思います。ただ、これに関してあくまでその可能性があるというだけで、人間で本当にガンを引き起こすのかはよく分かっていないそうです。そこには人間でそれを証明することが難しいという側面があります。

パンや肉などを焼いた時にできる「焦げ」は料理に失敗して偶然できることもあれば、香ばしい風味を加えるためにあえて食材を焦がすこともあります。そんな焦げにまつわる「焦げた食品には発がん性物質が含まれている」という説について、科学系メディアのInverseが解説しています。

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発がん物質というのは様々な食物に入っている場合があるのですがその一つが焦げです。これは特定の物質を焼くとアミノ化合物や糖が変化しメイラード反応で、人間の目ではみなさんが目にされているような茶色や黒っぽい色となって現れます。

その過程で作られるのがアクリルアミドや多環芳香族炭化水素という物質。これに発がん性があるとされ動物実験では発がん性があるとされています。しかし、これまで人間が焦げを食べたことで明らかにガンになったというような研究はどうやらほぼ存在していないそうです。

そもそもなぜ焦げの成分が人間に対する発がん性の有無が確認できないのかは単純です。人間が当たり前に食べる量の焦げの部分では、焦げを食べない人との差が明確ではなく誤差の範囲に収まるというという理由があります。
そして、それを証明するには人間が気が狂うレベルの大量の焦げ成分を食べさせるか、焦げを好む人を数十年レベルで追跡しするという難しい研究が必要になります。つまり、焦げ成分は人体にも有害であり発がん性はあると考えられるものの、365日毎日3食、炭のような食材を食べ続けない限り、適正量であればほぼ無視できる量ということになります。


ちなみに過去の研究における動物実験での発がん性の有無の調査では、大量の焦げを食べさせるという動物虐待レベルの試験が行われていたという内容を目にしたことがあります。

また例として、その量を人間に当てはめた場合、通常の焼き魚についている焦げなどの量では1日1トン近い焼き魚を食べ続けなければならないというものになっています。つまり黒焦げの炭でも永遠に食べ続けない限りコゲでガンになるというリスクはほぼ無視できるものと考えられます。(参考)

このような理由からもたまにバーベキューをして焦げ部分を食べる、焦げ焼いたパンを食べる程度では一生のうちにガンを患うリスクはほぼゼロか、むしろその食べ物を食べたことにより喉につまらせたり死亡したり、食材に含まれる人間の健康を脅かす成分により死亡するリスクの方が場合よっては高い可能性があると考えられます。