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主に様々な梱包に利用されている発泡スチロール。SDGsなどと毎日のように五月蝿く報じられている割に全く回収されず大半が捨てられているのですが、この分解されない発泡スチロールに関してドイツの科学者はトウモロコシ由来の原料で作るという狂気のような代替案を発表しました。

ドイツ、ゲッチンゲン大学の研究者は発泡スチロールに変わる代替素材としてトウモロコシから作るポップコーンを利用するという案を発表しました。確かに発泡スチロールの軽さや見た目はポップコーンに似ているのですが、どのように使うのでしょうか。

使い方は、ポップコーンと同じになるのですが、それとは異なりトウモロコシを砕き熱を加えて細かいクズ状のポップコーンを作ります。当然これだけでは固まらないので環境に優しいかよくわからない接着剤を型に流し込み整形します。

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従来の発泡スチロールとこのポップコーンの素材は何がどう違うのか。まずポップコーン製は可燃性が低く燃えにくいという特徴があります。ただ、発泡スチロールがファイヤーするようなことはほとんど無いのでこれは特にどうでもよいと思われます。
次に環境面。研究者によると、例えば回収して砕き再び再利用することができるといい、場合によっては使用後は堆肥として利用したり動物用の飼料にできるとのこと。またバイオ燃料に利用することもできるなどと説明しています。

デメリット


記事にはこのような内容で終わっているのですが、クッション性などは従来の発泡スチロールとどうなのかという点は不明です。ただ、当然それの代替品として開発したものでありある程度ののクッション性はあると考えられます。

一方で、このトウモロコシ由来の発泡スチロール最大の問題点は分解されるという点です。この製品の利点でもある「動物が食べたり、土に埋めると分解する」という点が最大の欠点になります。当然この製品には食べ物であるため虫が湧きます。つまり国際輸送という点では防疫の観点から問題になる可能性が高いと考えられます。

そして腐る点です。湿気を吸ったり濡れたりすると発泡スチロールは腐ることはありませんが、この製品は普通に腐ります。つまり長期間の保存には全く向きません。

また再利用するにあたっても現在は化石燃料を消費することになるためそのバランスが本当にとれているのかという疑問があります。つまり環境には優しいものの利用する側としては使いにくいとう欠点があるため、現状としては発泡スチロールを回収する条例でも設けたほうがエコといえます。

参考