
電気をどのような状況でも安定的に出力することができる装置は特に今後の宇宙開発で必要不可欠なものになりそうなのですが、これに関して中国では巨大な原子炉を搭載することで、例えばイオンスラスターを稼働させるという方法で宇宙飛行士を火星まで飛ばすという案があるそうです。(画像は参考)
中国科学院の原子力安全技術研究所で2019年に中央政府からの資金提供を受けて開始しているのは、宇宙で使う原子炉です。原子炉は発電以外も熱も利用することが考えられるのですが、これについては既にNASA以外では原子炉の開発が進められています。
一方で中国が開発しているのは大出力の原子炉で容量は数メガワット。これにより人類を火星に送るロケットの動力、つまりスラスターとして動作させるためには十分な電源になるとのこと。問題はこの原子炉は軽量小型にする必要があり、大量の電力を生み出すには高い温度が必要不可欠です。
記事によると想定されている原子炉では炉心温度が2000度程度になるとしており、冷却材は液体リチウムと用いる案があるとのこと。ただ、リチウムは常温では個体であり、摂氏180度以上をキープしなければならないという技術的な問題があります。
もちろんその熱は一部が発電に利用され残りは巨大な排熱ラジエーターを搭載することで外に逃がすという方法がとられるといいます。これは特に珍しい案ではないのですが、排熱機構はメルトダウンを防止するためにも搭載されるとのこと。
中国としては現在想定されている地球以外での活動については従来のソーラーパネルや化学燃料では力が不十分だとしており原子炉が最も有望な解決策としています。同様の理由で欧州やロシアでも既にはじまっており、将来的に原子炉が宇宙に打ち上げられることになることはほぼ間違いありません。
ただ、このような原子炉を宇宙に打ち上げることについて、仮に事故が発生した場合はどうするのかなど具体的な規制がありません。例として、過去に原子力電池として搭載されたものが地球に落下しそれを拾ったことで放射線によるヤケドを負ったという事故が発生しています。
参考
一方で中国が開発しているのは大出力の原子炉で容量は数メガワット。これにより人類を火星に送るロケットの動力、つまりスラスターとして動作させるためには十分な電源になるとのこと。問題はこの原子炉は軽量小型にする必要があり、大量の電力を生み出すには高い温度が必要不可欠です。
記事によると想定されている原子炉では炉心温度が2000度程度になるとしており、冷却材は液体リチウムと用いる案があるとのこと。ただ、リチウムは常温では個体であり、摂氏180度以上をキープしなければならないという技術的な問題があります。
もちろんその熱は一部が発電に利用され残りは巨大な排熱ラジエーターを搭載することで外に逃がすという方法がとられるといいます。これは特に珍しい案ではないのですが、排熱機構はメルトダウンを防止するためにも搭載されるとのこと。
中国としては現在想定されている地球以外での活動については従来のソーラーパネルや化学燃料では力が不十分だとしており原子炉が最も有望な解決策としています。同様の理由で欧州やロシアでも既にはじまっており、将来的に原子炉が宇宙に打ち上げられることになることはほぼ間違いありません。
ただ、このような原子炉を宇宙に打ち上げることについて、仮に事故が発生した場合はどうするのかなど具体的な規制がありません。例として、過去に原子力電池として搭載されたものが地球に落下しそれを拾ったことで放射線によるヤケドを負ったという事故が発生しています。
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