レタス_2

近年更に注目が高まっているソーラーパネル。特に変換効率や価格下落もあり導入が進められているのですが、実は海外では農作物を育てる施設の屋根につけることができる透明なソーラーパネルを開発。植物にも影響が出ないことがわかったとしています。

ノースカロライナ大学などが開発したのはST-OSC、日本語では有機太陽電池などという半透明のソーラーパネルです。このソーラーパネルは一般的なシリコンベースのものではなく、日光の一部の波長を電気に変換。ソーラーパネルを通過した光は植物には影響を与えないという一石二鳥の技術になっています。

Semi-Transparent Solar Cells Can Power Greenhouses Without Stunting Plant Growth

研究者はこの半透明のソーラーパネルを用いて、その下で生産されたレタルの抗酸化物質の含有量や二酸化炭素吸収率、レタスのサイズや重量などを調査しました。その結果、温度や室内の二酸化炭素濃度など様々な条件を変更したところ、通常のハウスに比べて生育に目立った変化は無かったとしています。

レタス_1

研究者によると、半透明のソーラーパネルST-OSCは必要に応じて吸収することができる光の波長を調整することができるという特徴があり、この研究では植物の成長を妨げない波長の光を吸収するよう設定していたとのこと。

レタス_3

ただ、現時点ではST-OSCから通常のソーラーパネルのように電気を取り出すような装置は搭載されておらず、今後こちら側の開発も行っていくとのこと。次の実験としてはレタス以外にもトマトで研究をするとしています。

このソーラーパネルについては過去に発表したところ農家など栽培業者から多くの関心が寄せられているといい、二酸化炭素削減が求められる農業分野で将来的に導入が進められる可能性があります。