シェールオイル

ここ最近、水圧破砕法を用いたシェールガス・オイルが掘削されていますが、これに関してカナダ地質調査部の研究者らはこの方法を用いるど、新しいタイプの地震が発生することがわかったと発表しています。

アメリカを一大産油国にしたシェールオイル。これは水圧破砕法という一般的な原油採掘方法ではなく、地下に高圧の液体を流し込み人工的に割れ目を作り石油やガスを取り出す方法です。しかし、この水圧破砕法を繰り返した結果、各地で異常な地震が発生するなど問題が発生しています。

当然アメリカでも異常な地震が発生していることはほぼ間違いなく、カナダも例外ではありません。例えば2014年にブリティッシュコロンビア州で発生したマグニチュード4.4の地震が発生した件について、リティッシュコロンビア州石油&ガス委員会はシェールガスの採掘が原因で発生したと認める発言をしています。

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Researchers Find Evidence That Fracking Can Trigger an All-New Type of Earthquake

では、科学的に正しいのか。水圧破砕による頻発する地震については明らかに因果関係があることは間違いないのですが、カナダ地質調査部の研究者チームは研究を行いました。
結果、ブリティッシュ・コロンビア州にある活動中のガス井から数キロ離れた場所で、5カ月間に記録された約350回の地震のうち約10%は破砕による典型的な揺れよりもゆっくりと数秒長く揺れだったことがわかりました。
今回発見されたこの奇妙なタイプの地震はその特徴から「ハイブリッド周波数波形地震」と界隈で呼ばれており、地震エネルギーの放出は少なくマグニチュードは2.0以下だったとのこと。

これまでのモデルや実験結果によると、高圧フラッキング(水圧破砕)は非弾性すべりを誘発しそれが近くの断層と相互作用、岩石に応力を与えより大きな地震現象につながると考えられており、今回のハイブリッド周波数波形はガス井から数km離れた場所でそのような変化が起きていることを示す新たな証拠となったとのこと。

このような水圧破砕と地震の研究の多くは、過去数十年の間に米国中西部で地震活動が劇的に増加したことや、掘削後に数カ月あるいは数年にわたって揺れが続くという観測結果がきっかけになっており、これが油田から数千キロ離れた場所で他の大陸の下を震源とする中規模の地震が発生しやすいことも示されているとのことです。