人を敵国に上陸させるには陸上が使えないのであれば海と空しか無いのですが、その海から上陸できるアメリカ海兵隊が使用しているAAVに関して、緊急時以外は入水することが訓練であっても禁止されているという状態になっていると報じられています。

The Marines' Amphibious Assault Vehicles Just Got Banned From Going In The Water Indefinitely

直接的な原因は2020年に発生したAAVが沈没し8人の海兵隊らが死亡するという事故にあるのですが、これに関しては車輌の問題以外も、海兵隊の熟練度やリーダーシップなど複数に原因があるとされています。ただ、その箱自体が沈没しているため箱自体が悪いということには変わりはないと思われます。

ではこの箱のAAVに関して海兵隊司令官は、「AAVは今後、定期的な配備や軍事演習中の水中での訓練には参加せず、危機対応に必要な場合にのみ水中での運用に戻すと決定した」としています。
つまり、現時点で海兵隊はAAVによる有事に備えた水上展開から上陸の訓練が行われていないという状況になります。

これがどこまで正確な情報なのかは不明なのですが、記事では「少なくとも短期的には、海兵隊の水陸両用攻撃能力の大幅な喪失を意味する」と表現されており、事実上海兵隊の上陸作戦でAAVの使用は限定されることことになります。

▼後継機ACV


このAAVに関しては動きが水上での鈍く問題があるという指摘はされていたのですが、その後の後進計画が変更されるなどして、現在は事実上の後継機となるACVが生産されているものの、2021年時点での配備数はかなり少ないと考えられ海兵隊の戦闘能力が大幅に引き下げられるという深刻な状況になると考えられます。