テミスロケット

最近のロケットのトレンドといえば再使用です。ロケットを部分的にも回収し再使用することで打ち上げコストを大幅に抑えることができる特徴があります。これに関して欧州宇宙機関ESAは『テミス』と呼ばれている再使用ロケットに貸してタキシングテストに成功したと報じられています。

アメリカのスペースXが世界で初めて成功させたロケットの再使用。以降、現在は当たり前のように回収、再使用を繰り返し、最近では10回も再使用されたものが登場しています。タダでさえ安価なスペースXのロケットを更に安くでき、その価格は日本のロケットの1/2以下であることは間違いありません。

Themis tanking test marks milestone in ESA's path to reusability - NASASpaceFlight.com

このように商用打ち上げではロケットの打ち上げコストが重要になるのですが、再使用ロケットの開発は日本も含め世界中で進んでいます。その一つ欧州宇宙機関ESAは2030年代に運用を目指すテミスロケットについてタキシングテストが成功したとしています。

試験は合計で6つあるとしており、次の試験では燃料タンクにエンジンを取り付けられ燃焼試験を実施するとしています。そして2023年にも試験飛行が行われる予定とのこと。また2025年には高高度打ち上げ試験を実施。そして着陸させて回収。再整備して再利用が可能かどうか判断されます。

テミスロケット_1

テミスロケットは製造されるパーツの大半を3Dプリンターで作っており、エンジンのコストは100万ユーロです。これはアメリカのヴァルカンロケットのエンジンと比較すると1/10であり、ロケット全体のコストを押し下げることができるとのこと。



今後も宇宙に関わる様々な需要は増えていくことが予想されており、より安価なロケットを顧客が求めていることから、再使用技術は更に加速してくことになります。