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車から電車、人や通信ケーブルが通過するような様々なサイズのトンネルがありますが、今回はそのトンネルを掘る技術です。従来この手のトンネルは岩盤をドリルのような装置を利用して掘り進めるていたのですが、米企業が熱で掘るという新しい技術を発表しました。

熱でトンネルを掘るという画期的な方法を開発したのはアメリカサンフランシスコ市にあるスタートアップ企業『ペトラ』です。このペトラは従来のように掘削装置を岩盤に押し当てるなどしてトンネルを掘る装置ではなく、熱で砕きながら掘るという全く別の方法を使っています。

Watch as Petra's remarkable thermal bore cuts through undrillable rock



こちらがその映像です。このように高温高圧のガスを放出することで岩盤を砕きながら掘り進めることができます。

この装置は『Swifty』と呼ばれているもので、理論上現在確認されているすべての岩石を穴を開けることができるとしています。現在は直径が46~152cmまでの穴しか開けることができないものの、従来はダイナマイトを使わなければ進めることができなかった硬い岩盤を1分間に1インチの速度で進むことができるといしています。

そしてこの装置が優れているのはコストです。従来のように掘削マシーンを使う場合に比べて30~90%ほど安価に掘ることができるとしています。これによりコストにより諦めていたような地域でも例えば電力ケーブルや通信ケーブル用のトンネルを掘り進めることができると主張しています。

ただ、地下水が漏れ出すような環境でこれが使用できるのかは不明で、この熱が原因で周囲の岩盤がもろくなり落盤するなどデメリットが生じる可能性もあります。当然トンネルの専門家ではないのでわからないのですが、新しい技術として注目されていくと考えられます。