
軍用機でも発生する軍用機の墜落事故。もちろん極端に尖った性能だったSR-71でも発生しています。このマッハ3.2で飛行でき、マリアナ海溝に沈んだ機体番号61-7974の回収作業について紹介します。

墜落事故が発生したのは1989年4月21日です。事故当時、操縦席には2名の乗員がいました。原因となったのはエンジンです。音速の3倍、マッハ3まで加速したときに左エンジンのコンプレッサーベアリングが凍結、これにより直ちにエンジンが破損し爆発。油圧を破壊されたことで飛行することができなくなりました。

マッハ3からの脱出は極めて危険であり高高度飛行しているため耐圧スーツを着ているからといっても生還できる保証はありません。そこで操縦手はなんとか飛行を続け高度1万フィート、約3000メートルまで降下させることに成功し、緊急脱出。
その後2名は脱出に成功しその後、マリアナ海溝付近を航行していた漁師により無事救助されています。

問題はこの機密の塊であるSR-71という、最速の有人機をどのように回収するのかです。そしてこの機体は海底7800m、25597フィート底に沈んでいました。

こちらが操縦桿。機体はアメリカ海軍により1989年に引き上げられました。

面白い話として当時この機体が引き上げられたときに化学物質が理由で発火。詳細は不明なのですが、これは化学物質が搭載したタンクが搭載されており、アフターバーナーを点火するため、もしくはエンジンが停止した際に再始動するためのもので、最大で16回行える分の量があったといいます。
これが漏れたことで火がでたとのこと。

近年、軍用機の墜落が相次いでいますが、かなり特殊な機体であってもこのような形で原型をとどめている事がわかります。そして海底7800mから機体を回収するというアメリカの技術にも驚きなのですが、それは世界トップレベルの技術と機密を扱う国である以上、必須の技術ということになりそうです。