新型コロナ感染後、「脳の霧」(Brain Fog)と呼ばれる「最近の出来事や名前を思い出せない」といった認知機能・処理機能の低下が一部で報告されていますが、抗ヒスタミン薬を服用することで大きく改善したカリフォルニア大学が発表しています。
内容が長いのでざっくりとまとめると、カリフォルニア大学アーバイン校の研究者が報告しているもので、具体的に2人の症例を紹介しています。
Antihistamines for Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection - ScienceDirect
A Common Over-The-Counter Drug Could Treat Long COVID, Case Study Reports
まず一人の症例は40代の医療従事者で新型コロナに感染した患者です。感染したのは2020年1月で発症から3日ほどで頭痛と激しい疲労感に襲われたといいます。数日後、発疹や胸の痛み、発熱などの症状がでて24日間ほどこれがつづいたいものの、この女性患者は完治後も頭がボーっとするなどの症状が出始めたといいます。
実はこの女性、2020年6月にチーズアレルギーのため抗ヒスタミン剤を服用したところ、新型コロナ感染後の頭がおかしいという症状がぱーっと無くなる感覚があり、突然気分が良くなったといいます。この女性は毎日フェンヒドラミン(抗ヒスタミン剤・ベナドリル)を服用し始め、医師にこの内容を伝えたところ、別の薬を処方したほうがいいと言われたとのこと。
そこでパモ酸ヒドロキシジンを50mgを処方し9ヵ月以上が経過したのですが、新型コロナの疲労感、脳霧、運動不耐性、胸痛などの症状はほぼ消えたとしています。現在はフルタイムの仕事に戻り、病気前の機能の90%を達成したと口にしているとのこと。
そしてもう一人、年齢は出ていないのですが、中年の教師をしていた男性は感染後1ヶ月しても関節痛や不眠、心拍数の上昇、脳がおかしいという症状を訴えていました。問題は感染から1年が経過しても症状が消えなかったといいます。
そこでどのようなわけか、これまでの抗ヒスタミン薬『フェキソフェナジン』から『ジフェンヒドラミン』25mgに無作為に切り替えたところ、その翌朝に脳のスッキリしている感覚があり以降、夜にジフェンヒドラミン25mg、朝にフェキソフェナジン180mgを服用し続けたところ現在は体の95%良くなったとと話しています。
記事によるとこの手の話は今回が初めて報告されたわけではないとしています。まず、新型コロナウイルスの『霧の脳』の状態は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と似ているとされ、ME/CFSの患者は抗ヒスタミン薬を服用しているとのこと。しかし1996年に行われた研究ではME/CFSと抗ヒスタミン剤との関係が見られず被験者の30人全員が症状の改善がなかったと報告しています。
研究者によるとME/CFSの患者の一部は免疫細胞が過剰に活性化している状態になっており、抗ヒスタミン剤はそれを抑え込む可能性があるとしています。
新型コロナと抗ヒスタミン剤については、2021年に49人の新型コロナ患者を対象にした研究でやはり同じように免疫機能が不要に活性化してることが明らかになり、抗ヒスタミン剤を投与したところ被験者の7割で長引く症状が改善されたとしています。
カリフォルニア大学アーバイン校の研究者によるとこの安全な薬が世界の5400万人はいると考えられる後遺症をもった人たちにとって希望を届けられるかもしれない」と話しています。
*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。
Antihistamines for Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection - ScienceDirect
A Common Over-The-Counter Drug Could Treat Long COVID, Case Study Reports
まず一人の症例は40代の医療従事者で新型コロナに感染した患者です。感染したのは2020年1月で発症から3日ほどで頭痛と激しい疲労感に襲われたといいます。数日後、発疹や胸の痛み、発熱などの症状がでて24日間ほどこれがつづいたいものの、この女性患者は完治後も頭がボーっとするなどの症状が出始めたといいます。
実はこの女性、2020年6月にチーズアレルギーのため抗ヒスタミン剤を服用したところ、新型コロナ感染後の頭がおかしいという症状がぱーっと無くなる感覚があり、突然気分が良くなったといいます。この女性は毎日フェンヒドラミン(抗ヒスタミン剤・ベナドリル)を服用し始め、医師にこの内容を伝えたところ、別の薬を処方したほうがいいと言われたとのこと。
そこでパモ酸ヒドロキシジンを50mgを処方し9ヵ月以上が経過したのですが、新型コロナの疲労感、脳霧、運動不耐性、胸痛などの症状はほぼ消えたとしています。現在はフルタイムの仕事に戻り、病気前の機能の90%を達成したと口にしているとのこと。
そしてもう一人、年齢は出ていないのですが、中年の教師をしていた男性は感染後1ヶ月しても関節痛や不眠、心拍数の上昇、脳がおかしいという症状を訴えていました。問題は感染から1年が経過しても症状が消えなかったといいます。
そこでどのようなわけか、これまでの抗ヒスタミン薬『フェキソフェナジン』から『ジフェンヒドラミン』25mgに無作為に切り替えたところ、その翌朝に脳のスッキリしている感覚があり以降、夜にジフェンヒドラミン25mg、朝にフェキソフェナジン180mgを服用し続けたところ現在は体の95%良くなったとと話しています。
記事によるとこの手の話は今回が初めて報告されたわけではないとしています。まず、新型コロナウイルスの『霧の脳』の状態は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と似ているとされ、ME/CFSの患者は抗ヒスタミン薬を服用しているとのこと。しかし1996年に行われた研究ではME/CFSと抗ヒスタミン剤との関係が見られず被験者の30人全員が症状の改善がなかったと報告しています。
研究者によるとME/CFSの患者の一部は免疫細胞が過剰に活性化している状態になっており、抗ヒスタミン剤はそれを抑え込む可能性があるとしています。
新型コロナと抗ヒスタミン剤については、2021年に49人の新型コロナ患者を対象にした研究でやはり同じように免疫機能が不要に活性化してることが明らかになり、抗ヒスタミン剤を投与したところ被験者の7割で長引く症状が改善されたとしています。
カリフォルニア大学アーバイン校の研究者によるとこの安全な薬が世界の5400万人はいると考えられる後遺症をもった人たちにとって希望を届けられるかもしれない」と話しています。
*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。